説明
ハヤトゾクノハンラン/原作:海音寺潮五郎。製作:大川博。企画:マキノ光雄。脚本:比佐芳武。音楽:深井史郎。助監督:沢島忠。監督:松田定次。戦国時代の宮崎日向地方を舞台にしたスぺタクル時代劇。市川右太衛門と中村錦之助のオールスター作品以外の最初で最後の共演作は貴重。芝居の質が異なる右太衛門と錦之助。戦国時代、九州日向の一円に土着した隼人族は、先住大和族の圧迫で壊滅に瀕していた。木之宮隼人の長、佐多彦(市川右太衛門)は、同じ隼人、川上族の次郎(原健策)の裏切りで、彼らの土地を狙う豪族二階堂兼親(月形龍之介)に一族二十余人とともに捕われ、水俣郷福間館に売られた。日向の国司、桂原忠通(三島雅夫)主税介(中村錦之助)父子が、隼人族から奪った領地視察のため京から下ってきたが、途中、福間館へ立ち寄る。館では桂原父子をもてなすため遊行女を招き入れたが女たちは実は川上族の長、比古田の娘志乃(勝浦千浪)佐多彦の妹阿久根(長谷川裕見子)らで佐多彦らを脱出させた。佐多彦は志乃に礼も云わず直ちに次郎を斬って捨てた。秀吉が政権を握り、隼人族も再興の準備を進める。佐多彦は、主税介を捕え、身柄と引換えに昔の隼人族の領地を書いたミカドの宣旨書を忠通から奪おうとする。阿久根は宿命の敵同士は愛し合うようになり、山牢から主税介を逃した。館に戻った主税介は、忠通が佐多彦に殺され宣旨書を奪われたと聞いたがこれは兼親が領地を取るために佐多彦に罪をきせ隼人族の絶滅を計った偽りと知る。主税介を逃した阿久根は兄に斬られようとしたが志乃に助けられた。志乃は木之宮集落との同盟のため父を不之宮へ走らせた。その留守に兼親の一隊に襲われ、志乃と阿久根は人質に捕われたが、佐多彦は単身二人の救出に二階堂に現れた。彼の前に立った主税介の助力に兼親とその家来達が殺到し大乱闘。互いの身を案じて呼び合う佐多彦と志乃、主税介と阿久根。武器を入手した隼人族は二階堂に到着し、主税介は佐多彦の介添で兼親を斬り、御宣旨は佐多彦の手に入る。佐多彦達に見送られ、主税介と阿久根は旅に出る。イーストマンカラー・東映スコープ。タイトルはまだ「荒磯に波」ではない。89分。1957年4月30日~5月7日豊橋第一東映、併映「満月城騒動記」。1957年10月22日~28日銀座東映、併映「竜巻三四郎」。【サイズ:A4・B5時代映画広告&映画情報誌広告・グラフ】【年代:1957年】