説明
フウウンショウギタニ/原作:角田喜久雄。脚本:比佐芳武。音楽:深井史郎。監督:松田定次。1938年講談倶楽部連載の伝奇小説の映画化。角田喜久雄の代表作で1940年(昭和15年)日活で坂東妻三郎主演で映画化、戦後1955年市川右太衛門主演でリメイク。財宝を求めて善悪乱れての争いに加え、将棋谷の神秘性とさそり道人薄田研二の怪奇性が混じって物語を盛り上げる。薄田研二が使うさそりが不気味で「シェ!シェ!」とさそりを使って19歳の娘を誘拐するさそり道人こと唐島宙斎と侠盗流れ星が出没。北町奉行所の岡ッ引仏の仁吉(小杉勇)は、さみだれ縄の名手お絹(喜多川千鶴)と宙斎を、南奉行所の岡ッ引兼三(原健策)は流れ星を追っていた。お絹は度々雨太郎に危険から救われたが、彼が流れ星とは知らなかった。宙斎一味はからくり御殿に隠れ、朱実(長谷川裕見子)という娘を探す。呉服商上州屋は娘お加世の警戒を仁吉に頼み、婚礼の夜にお絹がお加世の死体を発見する。死体の傍の旅日記をお絹が取った時、男が奪い合い、半分がお絹の手に残る。日記には信濃の将棋谷に平家の末流の住む秘境があり多くの財宝を持ち、首長となるべき雪太郎は三歳の時姿を消し、彼を探しに許婚朱実が江戸へ行ったと記してあった。さそり道人は財宝目当てに彼女を探していた。雪太郎は左の腕の五つの黒子が目印で、お絹は雨太郎が流れ星であり目印の黒子があるのを知る。朱実が宙斎に捕えられ、仁吉と雨太郎が駈けつけ救うが、仁吉は宙斎に殺される。朱実は再び宙斎に捕われ、お絹は雨太郎と駈けつけたが、秘境を守る様に頼んで朱実は死んだ。宙斎一味は秘境へ向ったが、先廻りした雨太郎とチャンバラの末お絹に滅ぼされ父殺しの真相と仇討ちを果たす。1960年大映勝新太郎で3回目、後年1983年テレビ時代劇スペシャルで松方弘樹主演「さそり伝奇」。全国公開より1日遅れで豊橋公開。1955年3月21日~27日豊橋第一東映、併映「彦佐と太助殴り込み吉田御殿」。1956年12月11日~17日銀座東映、併映「お坊主天狗」。【サイズ:A4不二タイムス広告&日本映画新聞広告全集より】【年代:1955年】