説明
ワカサマサムライトリモノチョウ ナゾノノウメンヤシキ/原作:城昌幸 脚本:井上梅次 助監督:山田達雄 音楽:鈴木静一 監督:中川信夫 黒川弥太郎主演の推理時代劇。城昌幸原作「若さま侍捕物手帖」初映画化。町奉行の息子堀田左馬之介こと若さま侍(黒川弥太郎)が、能役者の当主・広光(江川宇礼雄)らの住まう「能面屋敷」周辺で次々と起こる怪奇事件の謎を解く。古典的な捕物ものらしいサスペンス劇が繰り広げられるが、効果的な小道具として用いられる能面など随所に創意工夫の跡が見られ、最後には意外な犯人が明かされる面白さが光る。物語は、江戸で能面をつけた強盗殺人犯が横行し追跡するといつも能役者・間崎広光の住む“能面屋敷”の辺りで姿を見失う。それを知った堀田左馬介こと若さま侍が重い腰をあげる。喜仙の一人娘おいと(香川京子)は、問題の能面屋敷に奉公することになったが、若さま侍は知らん顔をしている。間崎家では、用人喜左衛門(柳家金語楼)が、広光に能面強盗が弟玄馬(杉山昌三九)の仕業だと告げるので、怒った広光は喜左衛門に玄馬を斬れと命ずるが玄馬は若さまに助けられた。その翌日、顔をめった斬りにされた喜左衛門の屍体が大川に浮き上がり、それ以来玄馬の姿が行方不明。間崎家へ奉公したおいとは、広光から言い寄られていたが、ある夜能面を取った顔をふと見ると、それは焼けただれのある広光の顔ではなかった。そのため、おいとは地下牢へ入れられたが、そこには弱り果てた広光がいた。若さま侍は矢場のお銀から手がかりを得ようとしていたが、お銀もある夜殺された。その最後の口から洩れた言葉を頼りに、若さまは謎を解く。そして間崎家へ乗り込んで、八年前に三宅島を脱走した極悪の盗賊夜叉丸こそ間崎家の御用人喜左衛門であることを見破る。黒川弥太郎の若さま侍も適役で、中川信夫の演出でひねりのきいた面白さがある作品。のちに監督として名を上げる井上梅次が脚本を担当。翌年 1951年に黒川弥太郎2本目の「呪いの人形師」が製作され、1953年には坂東鶴之助主演で2本製作されてから1956年から1962年まで大川橋蔵主演でシリーズ化され10本。文字通り大川橋蔵の代表作となるが、原作は日本の推理小説で「人形佐七」「半七」「銭形平次」「右門」と並んで「5大捕物帳」と呼ばれる作品群の1作。娯楽の少ない時代に歌ありチャンバラあり推理ありの娯楽時代劇の良き1本。川田晴久が瓦版売りで川田節を聞かせ、人気歌手榎本美佐江が出演、与力に河津清三郎、遠州屋小吉に鳥羽陽之助、父親町奉行に大河内傳次郎、船宿喜仙のおいとが香川京子、矢場の女将に利根はる恵。この作品は何といっても喜劇俳優の柳家金語楼が悪役というのが魅力の捕物帖。1950年12月1日公開豊橋国際劇場。【サイズ:B5】【年代:1950年】




