説明
ハクセンミダレクロカミ/原作国枝完二、脚本橋本忍、監督河野寿一。歌舞伎演目の「東海道四谷怪談」の因果話の基となった民谷伊右衛門と以和の物語、というより以和の妹である以志との悲恋物語を作者鶴屋南北に坂東簑助が2人の関係に美しさを交えて脚本化する過程が描かれる。直参旗本で精錬潔白だった伊右衛門が、妻の妹である以志が無くした献上簪のことで取り戻すために悪事を働き、賄賂用の金子を作るためにゆすりや辻斬りまで行い、能面の如く冷血な男になっていく。ところが以志に横恋慕する侍との決闘で追われる身となって伊右衛門と以志は川で心中する、夫の不実を知った以和は泣きながら川にはまって死んでしまう。鶴屋南北は罪のない多くの人間が死んでしまった事に悪事は悪事として人間の業を描くことになって「東海道四谷怪談」が完成する。東千代之介の一世一代の名演技でニヒルな男を演じた。1956年3月15日〜21日第一東映、併映「続 源義経」。1957年6月11日〜16日銀座東映、併映「復讐侠艶録」【サイズ:A2プレス2種】【年代:1956】