大虐殺

天知茂/細川俊夫、北沢典子、沼田曜一、御木本伸介、杉山弘太郎、若宮隆二

説明

ダイギャクサツ/製作:大蔵貢。脚本:内田弘三。音楽:伊藤宣二。監督:小森白。関東大震災を背景にした虐殺事件とテロを描く天知茂主演のアクション映画。「福田村事件」の参考作品として重要な一本。朝鮮人虐殺だけでなく社会主義者大杉栄を逮捕・殺害した軍の暗部と、その結果テロリストを産んでしまうという悲劇を描く。特に憲兵隊・甘粕大尉(沼田曜一)がやらかした、いわゆる「甘粕事件」の全容を暴く。大正12年9月1日午前、戦争後の不景気で失業率が上がる東京が突然の大地震で家屋は崩壊し、地割れと火事で住民たちはパニックに陥った。混乱に乗じて朝鮮人がテロを引き起こしているとのデマが広がる。軍憲兵隊はこれを利用し、朝鮮人や社会主義者たちの一斉検挙に踏み切った。労働者向け新聞を発行していた青年・古川(天知茂)も逮捕され、朝鮮人たちが銃殺される現場に遭遇。自身も機銃掃射を受けるが無傷で逃亡する。駆け込んだ先は、恩師である大杉栄(細川俊夫)の屋敷。大杉はアナーキストとして名の知れた学者であった。やがて軍部は大杉にも目をつけて、大杉本人と愛人、そして6歳の甥を引っ張り、尋問と称して無惨に殺害する。首謀者・甘粕大尉は10年の刑を言い渡されたが、その上官の刑事責任は問われなかった。憤懣やる方ない古川は、仲間の村上と共に報復テロを計画。その資金を得る為、大阪で現金を運ぶ銀行員を殺害する「負」の連鎖反応を描きラストに逮捕された天知が言う科白「横暴なる権力が続く限り、俺たちが死刑になってもあとに続く者がいるぞ!荒川で朝鮮人や日本人同朋を抹殺した奴らはどうして処罰されないんだ!甘粕たち はなぜ釈放されたんだ!みんな、こんな不公平が許されていいのか!権力による暴圧は必ず滅びるぞ!俺たちは民衆のため闘っているのがわからいのかぁー!!」まさに昭和秘録。1960年1月27日~2月3日豊橋国際劇場、併映「猛吹雪の死闘」「花くらべお守り変化」の3本立て。【サイズ:B2】【年代:1960年】