説明
オオエドヒョウバンキ ビナンノカオヤク/脚本:小国英雄。音楽:鈴木静一。監督:沢島忠。1959年大映「花の遊侠伝」長谷川一夫作品リメイク。大川橋蔵主演で天保六花撰の活躍を華やかなキャストで描く娯楽時代劇。里見浩太郎の母親の浪花千栄子と暗闇の丑松役の渥美清が芸達者な演技を魅せる。橋蔵は金子市之丞、山形勲が河内山宗俊、里見浩太郎が片岡直次郎。女優陣も桜町弘子、花園ひろみ、千原しのぶと賑やか。屋敷の大広間では福山藩の武力による返報を予期して女たちと一緒に直次郎を親孝行するよう諭して立ち去らせ、心おきなく男の最後を飾ろうと河内山宗俊、金子市之丞、暗闇丑松が悲愴感を漂わせて酒を汲み交わしていた。襲ってきた福山藩(沢村宗之助、田中春男)たちを相手に大チャンバラ。琴江(桜町弘子)の兄千葉栄次郎(山城新伍)を筆頭とする千葉道場北辰一刀流の助太刀で九死に一生を得る。このちゃんばら場面のスピードは見応え。屋敷を立つ市之丞に、中野石翁(月形龍之介)が浴びせた「家賃は高いものにつくぞ」の言葉が御用提灯の波になって迫っていた「暫くの御猶予を」と言い、品川宿へと走り去る市之丞の後ろに弦月が影を落す。品川宿では里見の母親浪花千栄子が待っていて橋蔵との瞼の母的な別れを遂げる。橋蔵は「新吾十番勝負」シリーズや「草間の半次郎」シリーズでも母親への慕情を募らせる役どころが多い。この映画でも浪花千栄子を自身の母親とダブらせて哀愁の別れで「おっかさ~ん」と叫んで「終」。1962年1月14日〜22日豊橋第一東映、併映 錦之助「瞼の母」正月映画第三弾。1962年4月11日〜17日銀座東映、併映「月給日は嫌い」。1962年6月30日〜7月3日南東映、併映「花のお江戸のやくざ姫」。1962年12月19日〜21日南東映、併映「ダッジシテイ」【サイズ:B2ポスター】【年代:1961】