十代恵子の場合

森下愛子/三浦洋一、風間杜夫、絵沢萌子、殿山泰司、今井健二、玉川伊佐男、成瀬正孝、

説明

ジュウダイケイコノバアイ/音楽:杉田一夫 技闘:田畑義彦 脚本・監督:内藤誠。森下愛子初主演で非行少女の転落の実態をドキュメンタリータッチで描いた問題作。大学入試を目前に控えた女子高生・恵子(森下愛子)は、家庭内の不和や学校の成績至上主義の圧迫感から不良グループの誘いに乗って、スナックやデイスコで遊び始める。やがて、家出して飲酒・麻薬に手を出し、暴力団員と交際しレイプされ初体験。妊娠・中絶を経て売春行為そしてソープで働かされるようになった恵子は麻薬に溺れ、禁断症状に苦しむ薬物依存症に陥って転落の人生を歩む展開が描かれる。予算が厳しくオールロケで撮影、内藤監督も東映専属最後の作品。夫婦仲の悪い父母(玉川伊佐男・絵沢萌子)、成績ばかり云々する先生たち、息のつまりそうな高校生活。先生と対立した恵子は不良グループに誘われるまま、スナック「ジャンゴ」で遊びだすようになった。やがて、三千円のパーティ券を押しつけられた恵子は、金が工面できず、自分の本を古本屋に持っていくが、二千五百円にしかならない。本屋の店員、次郎(風間杜夫)が不足分の五百円を貸してくれた。パーティの夜、恵子はトミーに犯されそうになったが、危ういところで鉄(三浦洋一)に助けられた。ヤクザだとも知らずに鉄に好意を持った恵子は、暫くして鉄に力ずくで犯される。暴力による初体験で恵子は大きく変化。恵子を抱きたいという兄貴分の石黒(成瀬正孝)の申し出を鉄は断らない。恵子の転落に拍車がかかった。鉄は上納金を横取りした石黒と口論になり、石黒を刺してしまう。恵子は妊娠・中絶。新宿にいられなくなった鉄は恵子を連れて地方に逃亡。ソープランドで働くようになった恵子は、禁断症状に苦しむ程の覚醒剤中毒になっていた。鉄は恵子のヤクを求めて新宿に戻るが、石黒に見つかり刺されて殺されてしまう。ヤクが切れて、夢遊病者のように歩く恵子をトラックの運転手の次郎が見つけた。喫茶店で鉄が刺殺された新聞記事を見て失神した恵子を次郎は病院に運ぶ。入院三カ月後、次郎の愛の力で、恵子は次第に快癒に向かい、生来の明るさをも取り戻す。面白いのは恵子の弟、ヒロインが家に寄りつかなくなり裏社会に染まっていく中、世間体を気にして動揺する両親を尻目に、彼女の帰宅を静かに待ち続ける。弟の姉に対する言葉。「僕、姉ちゃんが不良になったくらいでオタオタするような奴じゃないよ」。三浦洋一と風間杜夫が好演で今井健二がヤクザの親分でチョイ出。ラストの写真は森下愛子のプライベート写真が使用されている。79分。1979年2月24日~3月16日豊橋東映、併映「喧嘩道」「暴力教室」。【サイズ:B2】【年代:1979年】