説明
ジュウサンニンノシカク1963/脚本:池上金男。音楽:伊福部昭。監督:工藤栄一。将軍の弟である暴君明石藩主の暗殺劇をダイナミックな演出と綿密な構成で描く。最後の殺陣場面は時代劇映画史上に残る鮮烈さ、千恵蔵は刺客団のリーダー島田半左衛門、アラカン嵐寛寿郎が参謀として引き立て役、里見浩太郎が千恵蔵の甥っ子で対抗する鬼頭半兵衛に内田良平、暗殺される暴君は管貫太郎ではまり役となる。スター序列を上手く取り込んだ東映時代劇末期の傑作、工藤栄一監督の代表作。クライマックス近く霧の中から馬の蹄音が聞こえてきて段々と大きくなり、やがて騎馬軍団の姿が現れるワンカット場面が素晴しい。サスペンスと駆け引きが長く続いて後半のダイナミックなアクションが見せ場となる。千恵蔵は暴君を斬り、内田と差し違えて死ぬ。生き残ったのはアラカンと里見、ラストは逃げ切った藩士原田甲子郎が田んぼの中で発狂して戦いの空しさが響いて「終」。公開時はメイン番組でなく三国連太郎主演の「続王将」が2週間上映で、後半の併映番組として6日間公開だった。因みに前半週の併映は大友柳太朗・近衛十四郎共演の「血と砂の決斗」。クレジットトップは片岡千恵蔵、丹波哲郎と内田良平が続いて止めに月形龍之介・西村晃・嵐寛寿郎。後年 2010年に三池崇史監督で役所広司・松方弘樹・市村正親・稲垣吾郎でリメイクされたが殺伐さしか残らないスプラッター時代劇だった。1963年12月8日~13日豊橋東映、併映「続 王将」。1964年2月5日~12日銀座東映、併映「眠狂四郎殺法帖」。1964年10月31日~11月2日南東映、併映「講道館の鷲」。1980年2月23日~3月14日豊橋東映、併映「影の軍団 服部半蔵」。【サイズ:B2 80R】【年代:1963】