説明
ララミーカラキタオトコ/原作:トーマス・フリン。脚本:フィリップ・ヨーダン、フランク・パート。音楽:ジョージ・ダニング。監督:アンソニー・マン。アンソニー・マン監督とジェームズ・スチュワートの黄金コンビの西部劇の面白さは、人間的なジミーが暴力の価値に最後まで否定的なのに、活劇自体の面白さと違和感なく描かれ、ロケーションの工夫も常にあり視覚的驚きにも事欠かない。ドンルド・クリスプ親子の確執に、流れ者のジミーが絡む形で、大地主のクリスプに反抗する女性牧場主の描き方など、場面にすれば僅かでも、非常にリアル。ララミーからやって来た元騎兵隊大尉ロックハートは運送業の配達で、アパッチによって弟が命を落とした土地に近い、地主ワグマン支配下の町にやってくる。その老人はかなり強引にのしてきた暴君ではあったが、目を病んで病気になり引退を考えていた。東部出身の妻の虚栄のうちに育てられた息子デイヴはわがままで乱暴で手に負えず、実子のように目をかけているヴィク(アーサー・ケネディ)が頼みの綱で、いざとなると息子が可愛い。デイヴに襲われ馬車を焼かれ、ラバを何頭も撃たれ廃業やむなしとなったロックハートは、ヴィクの恋人でデイヴとは従姉妹同士のバーバラに魅かれたこともあり、しばし当地に留まることにした。そのうち、密偵に雇った老人からの情報で、アパッチに通じる者の姿が浮かびあがってくる。アクション場面として面白いのは牛の群れの中でのジミーVSケネディの殴り合い。それから目の効かないクリスプが馬に乗ってジミーと対決しようとする。珍しくスチュワートが温和でなく目的の為に行動する強い意思を持つ男として描かれていた。コンビ5本目の西部劇で初のシネマスコープ、通算8本目であり最後のコンビ作である。1955年4月23日~30日豊橋大劇、併映「兄弟は皆勇敢だった」。1956年9月7日~11日豊橋メトロ劇場、併映「死の猛獣狩り」。1965年1月24日~2月5日広小路スカラ座、併映「太陽の下の10万ドル」【サイズ:キネマ旬報広告】【年代:1955年】