説明
ブルーレインオオサカ/脚本:高田純 音楽:伊藤晴康 監督:小沼勝 主題歌:八代亜紀「ブルーレイン大阪」挿入歌「夢ならさめないで」。志水季里子主演のにっかつロマン演歌ポルノ。八代亜紀の「ブルーレイン大阪」の歌詞をモチーフにした作品である。昭和なテイスト物語も演歌の世界観、小沼勝が演出すると浪漫ポルノとして浮かび上がってくる。人物を丁寧に描写して物語をしっかり構築していて1970年代から続く浪漫を意識したつくりで1983年の映画としては古臭いように見える。大人の色香を漂わせる志水と無謀なまでの若さで突っ走る久我冴子のコントラストも鮮やか。ふたりに絡む伸江のような役をやらせれば絵沢萌子の右に出る女優はいないだろう。大阪北新地の繁華街にある「club萠」。体調を崩したママの宇崎伸江(絵沢萠子)に代わって店を切り盛りしているのは、チーママの妹待子(志水季里子)。店の常連で父親が経営する商社の二代目・頼野(花上晃)から、待子はプロポーズされて言葉を濁している。彼女は、LOFTというライブハウスの店員で歌手志望江上勇夫(斉藤修)と付き合っており、勇夫は閉店後の「club萠」にバイクで迎えに来ては待子の部屋でセックス。若い頃、待子はボイルド・エッグというロックバンドのボーカルだった。待子と同じマンションの上階に、伸江は住んでいる。伸江は河内のオッサンと呼んでいる男の二号で、店はオッサンの出資。子宮摘出して以来、伸江は店に出ることもなく家で腐っている。過去の待子の悲恋を知っており、妹の男関係には口うるさい。姉の愚痴を聞いてから、待子は店の集金に出かけた。途中、公園で待子は店の常連で編集者の長谷川(東隆明)から声をかけられる。長谷川と同席していた男女の顔を見て、彼女はハッとする。男はカメラマンの才賀悠司(広瀬昌助)、若い女の方はサーカスの団員をしていた津村五月(久我冴子)。悠司が、待子に挨拶した。「しばらくでした」と待子は目を伏せる。三年前、待子は悠司に捨てられていた。最後まで振り回されて結局また捨てられる主人公志水季里子のブルースなほろ苦い悲恋も本作の後味としては悪くないし、若くていじらしい五月に扮する久我冴子を土壇場で選んでしまう悠司の優柔不断さも押しに弱い男像。ラストは、いくら待っても、悠司は現れず。そじて雨が降り出し夜の帳が下りたてもベンチで雨に打たれながら、待子は一人むせび泣いた。ふたたび裏切られた女の嗚咽を、八代亜紀の歌声がやさしく包み込む。「めぐり逢えば 別れがくる 追いかければ 逃げてゆくブルーレイン 雨の大阪~」79分。1983年7月8日公開、豊橋日活小劇場 併映「3年目の浮気」。【サイズ:B2ポスター】【年代:1983年】




