説明
ユキノジョウヘンカダイサンブフクシュウノケン/原作:三上於菟吉。音楽:高橋半。脚本:西條照太郎。監督:河野寿一。東千代之介デビュー三部作の完結篇。元長崎奉行の土部三斎や悪商人達に謀殺された父親の仇を討つ為に10才から役者修業に入った雪太郎こと中村雪之丞と怪盗闇太郎の二役を演じる。土部三斎に薄田研二、娘浪路に高千穗ひづる、一味の角倉平馬に原健策、雪太郎の師匠が河部五郎。旧悪露見を怖れる三斉と広海屋は、破産した長崎屋を亡き者にせんとする時忽然と現われた雪之丞と闇太郎に、雪之丞の秘密を知る。中村座興行千秋楽の当日、正邪一堂に会して危機迫る舞台に“娘道成寺”を舞う雪之丞は、今は三斎の配下となったお初(喜多川千鶴)の手裏剣に狙われ楽屋を訪れた浪路は平馬に発見され、追われる侭に舞台に走り出た。浪路を庇って兵馬達と渡り合う雪之丞と闇太郎。だがその時、乱闘を見守る三斉と広海屋(香川良介)は忍び寄った長崎屋(清川荘司)に刺殺される。平馬の背にも非を悔いたお初の手練の匕首が飛んだ。騒乱は鎮まり舞台では仇討本懐を遂げた雪之丞の手に抱かれた浪路が、薄幸な生涯を閉じる。映画「雪之丞変化」はこのあと1957年新東宝で美空ひばり、1959年東映で大川橋蔵、1963年大映で長谷川一夫と3度の映画化。テレビでは1970年に丸山明宏、2008年にNHKで滝沢秀明の2回。誰でも出来る役ではない、役者なので踊りが下手だとNGだし、時代劇の殺陣も必要で何より女形と闇太郎の侠気の硬軟の演じ分けが必要。長谷川一夫、大川橋蔵、千代之介、ひばりは揃って踊りと殺陣が上手い。1954年4月7日第1部「復讐の恋」、1954年4月21日〜26日第一東映、併映「続水戸黄門漫遊記 副将軍初上り」「雪之丞変化第二部復讐の舞」【サイズ:B2&パンフレット表紙】【年代:1954年】