われ一粒の麦なれど

小林桂樹/高峰秀子、森繁久彌、大辻伺郎、水谷良重、木村功、市原悦子、田崎潤、菅井きん、毛利菊枝、田中春男、大邦一公、名古屋章

説明

ワレヒトツブノムギナレド/脚本・監督:松山善三 音楽:佐藤勝  小林桂樹・高峰秀子主演の社会派サスペンスドラマ。タイトルの「われ一粒の麦なれど」とは「踏まれても蹴られてもヘコタレない」主人公の狂信的な「情熱」をさす意味なのだろう。農政省で働く男小林桂樹が、受けた間違い電話がきっかけで小児マヒ撲滅を目指してに奮闘する様子を描く。それは小児マヒの子を持つ市原悦子からの切実な訴えの電話。小林は、テレビで小児麻痺患者の惨状をとらえたニュースを見て、あのときの悲痛な電話の声が再び生々しく呼び返された。それから小児マヒ撲滅が小林の念願となり撲滅運動の先頭に立つ。そして服作用が心配されていた生ワクチンの「人体実験」を小児マヒの義弟を持つ女医・高峰秀子に迫る。ある日、小林は座敷牢のようなところに閉じ込められている患者・大辻伺郎に出会う。「あなたにボク達を救うことなんかできない」と全身を震わせて訴える大辻の尋常でない熱演がこの映画の全て。小林は車椅子の大辻司郎とともに養護施設を訪れる。ボール遊びに興じる友達を松葉づえの少女が見つめている。二人の眼前でその子は転んでしまう。とっさに助けようとした小林に「自分の力で立たせなさい」と叫ぶ大辻司郎。 「あなた(小林桂樹)はキチガイだ。キチガイでなければできないんだ。」という大辻の言葉に俄然、奮い立つ小林桂樹。交差点で車椅子の後を押す青年に「おまえもキチガイの素質あるぞ!」と小林は言う。拒む高峰秀子に「大勢の命を救うために一人の犠牲はしかたないんだ!」と叫ぶ小林桂樹が印象的で、結局実験は成功して厚生大臣は大量の生ワクチンを輸入して、生ワク投与に踏み切る。しかし突飛な行動をしたために小林桂樹は田舎へ左遷される。キネマ旬報ベストテンにもなり、第18回ブルーリボン賞主演男優賞を受賞。因みに主人公のモデルは上田哲氏と聞いたことがある。108分。1964年9月日~18日丸物東宝、併映「がらくた」。【サイズ:B2ポスター】【年代:1964年】