岸壁の母

中村玉緒/二葉百合子、伊藤雄之助、荒木道子、北村和夫、江藤潤、林寛子、大門正明

説明

ガンペキノハハ/原作:端野いせ 脚本:村尾昭 音楽:津島利章 監督:大森健次郎 主題歌:二葉百合子「岸壁の母」。中村玉緒主演。第二次大戦の戦地からいまだ帰らぬわが子への思いを切々と歌った二葉百合子の同名のヒット曲の映画化、ひたすらわが子の帰りを待ち続ける母の姿を描く歌謡ドラマ。息子の新二(江藤潤)は恋人靖子(林寛子)や近所の人に送られて出征。鉄橋を渡る汽車の窓から、新二はいせの姿を捜していた。「母さん!!」。一足遅く鉄橋にたどりついたいせもまた、大声で遠去かる列車に叫んだ。「新ちゃん!! 新ちゃん!!」。東京は連日B29による激しい爆撃。いせは、戦地から送られてくる新二のたよりを唯一の支えにして生きていた。ある日、爆撃の中で靖子が死んだ。そして終戦。玉音放送を息をつめて聞いていたいせの口から、思わず言葉がもれた。「新二が帰って来る!」。それからの毎日品川駅に通い続けた。新二は帰って来ない。いせはある日、新二の戦友から新二が満州で戦っていたことを知らされた。満州。それなら新ちゃんは舞鶴に帰って来るはず。1949年、舞鶴。舞鶴港は引揚げ船と、それを迎える人々でごったがえしていた。新二の写真を持ったいせは、血まなこになって復員兵の列に呼びかけた。「新二ッ!! 新ちゃん!!」。次のランチ次のランチ。新二はついに帰って来なかった。1956年。ソ連からの最後の引揚げ船といわれる興安丸にも、新二の姿はなかった。年月が流れて今日もまた、いせは変らぬ姿で岸壁に立っている。無造作に束ねた白髪まじりの髪、小さな細い肩。しかし輝く瞳は希望の光をたたえて、水平線の彼方をみつめている。この母にとって、戦争はいまだ終っていない。今日もまた、岸壁に立つ母の姿。実在の端野いせ(1899年~1981年)がモデル、息子の新ニは新二は立教大学を中退し、軍人を志し昭和19年(1944年)満州に渡り関東軍石頭予備士官学校に入学、同年ソ連の攻撃を受けて中国牡丹江にて行方不明となるが生き残り、現地で生涯を終え日本では戦死扱い。昭和49年新人物往来社から「未帰還兵の母」を発表。高齢と病のため、通院しながらも和裁を続け生計をたてる。息子の生存を信じながらも1981年7月1日午前3時55分に享年81で死去。「岸壁の母」は1954年菊池章子がレコ―ディングでヒット、1972年に二葉百合子がカバーして250万枚の大ヒットとなる。二葉は生涯歌い続けた。後年市原悦子主演でテレビドラマも製作された。1977年5月28日~6月17日豊橋西武東宝、併映「本陣殺人事件」。【サイズ:B2ポスター】【年代:1976年】