説明
ギオンノアンサツシャ/脚本:笠原和夫。音楽:木下忠司。監督:内出好吉。近衛十四郎主演の幕末時代劇の佳作。幕末の京都に集結した薩摩、土佐、長州の各藩浪士たちの勢力争いを背景に、人間性に目覚めたがゆえに加茂河原の夜つゆと消えた暗殺者近衛十四郎の運命を剣と色で描くサスペンス時代劇。志戸原は一派のなかで瑞山の勢力が伸長していることを思い知らされ、自分が邪魔者にされていることに気づく。一派は江戸に向かう御用商人を宿を襲うが、志戸原は物陰に隠れていた標的だった商人を見逃してしまう。それを同士から咎められ追われる身になる。京都を逃げまどうが追い詰められる。志士のひとり菅貫太郎の拳銃が火を噴き志戸原は倒される。彼の耳には次第に祇園囃子が遠のいていく。かつて自分の犯した罪が、そのまま自分の身に降りかかってくる志戸原が切ない。自分たちが殺めた一家の生き残りの娘を、罪を償う意味で愛人の芸妓の辰路(千原しのぶ)に預けていたら、よりによって成り上がり者の新次郎と男女の関係になり、辰路もお鶴を自分に預けたことで志戸原に脈がないことを悟って別の男に走る。かつては狩る側だったのに、最終的に追われる側になるなど、悉く因果応報となって撥ね返ってくる悲劇。1962年6月20日~23日豊橋東映、併映「喧嘩道中」リバイバル。1963年5月19日~22日豊橋南東映、併映「ギャング対Gメン」。【サイズ:B5 時代映画広告】【年代:1962年】