憲兵と幽霊

中山昭二、天知茂/久保菜穂子、三原葉子、万里昌代、芝田新、中村彰

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説明

ケンペイトユウレイ/脚本:石川義寛。音楽:江口夜詩。助監督:石川義寛。監督:中川信夫。戦争中内地と大陸にまたがって憲兵隊内で行われたスパイと謀殺事件をテーマの新東宝ホラー怪奇サスペンス。怪談の味つけをされた憲兵物の内幕ものというキワモノながら、軍隊という強者とそれに翻弄される一兵士とその家族という弱者、そして軍隊やそれに支配されたマスコミの流す情報に翻弄されて弱者を苛める無責任な大衆という多様な視点から戦時中の世相を描く。前年1957年「憲兵とバラバラ死美人」に出演した中山昭二と天知茂が主演。田沢憲兵伍長(中山昭二)は波島(天知茂)の陰謀で冤罪で拷問、偽りの自白を強いられ、銃殺。射手として兄の銃殺に立会い、自分の無実と呪いの言葉を叫ぶ兄の姿をみた田沢二等兵(中山昭二二役)は、復讐を誓って憲兵を志願する。波島は、生活に苦しむ妻明子(久保菜穂子)に毒牙をのばし、母を自殺に追いやり、遂に彼女を征服した。浪島は、大陸における日本軍の配置図を、中国側の張覚仁に手渡すため大陸に渡ったが、途中の船中で、部屋に入ってきた高橋軍曹の顔が、亡き田沢伍長にみえて軍刀で殺し死体を行李詰めで海に投じた。大陸で憲兵隊に出頭した波島は、皮肉にも小森中佐(中村彰)に、大物スパイ張覚仁(芝田新)の逮捕を命じられた。部下として同行を言渡されたのは、憲兵となった田沢上等兵。しかし波島の連絡によって、現場では身代りとして金成日が捕えられたのみ。金成日は、自分は張覚仁でないことを主張し、証人として知合いの日本人看護婦を呼んだ。それは明子だった。彼女も復讐のために大陸にきていたのだ。取調べ室で対決させられることになった波島は、金成日を殺して張のもとに逃れ、張の情婦で自分と通じている紅蘭(三原葉子)と共謀して張を殺し逃走。しかし、憲兵隊の手は彼等を逃さなかった。田沢の母の顔に見えた紅蘭をつき放し、墓地に追いつめられた波島は、田沢の顔にみえる十字架に行手をはばまれ逮捕された。1958年8月10日~16日豊橋国際劇場、併映「闇の帝王と闘う兄弟」「ィ号潜水艦白骨の帰還」の3本立て。【サイズ:B5 チラシ&名古屋シネマリーグ大須赤門劇場広告】【年代:1958年】