説明
クチクカンベッドフォードサクセン/原作:マーク・ラスコヴィッチ。脚本:ジェームズ・ポー。音楽:ジェラルド・シャーマン。監督:ジェームズ・ハリス。リチャード・ウイドマーク主演のSF戦争サスペンスの佳作。核を人間がコントロールする恐怖を描き、タカ派艦長が指揮を執る駆逐艦ベッドフォードが、領海侵犯のソ連潜水艦を追跡する物語。駆逐艦ベッドフォードは、グリーンランド海域を対潜哨戒していた。そのレーダーにソ連の潜水艦が引っかかる。駆逐艦の艦長は、司令部の命令を無視して潜水艦を追い求める。戦闘シーンはほとんどなく、駆逐艦内でのやり取りがメイン。司令部の意向を無視してでも敵を追いつめたい艦長と、懐疑的な従軍記者(シドニー・ポワチエ)を中心に、リアリティー重視の人間ドラマが展開される。高圧的な上司の指揮下にある孤立した環境に加えて、長く続く緊張状態と、それに伴って溜まる疲労が、乗組員たちを追いつめていく。ベッドフォードとソビエト潜水艦の対決はついに衝突事故に発展、乗組員が命令と聞き違え、「発射」と復唱して通常核弾頭の発射ボタンを押してしまう。標的は攻撃されたことを知り、沈められる前に駆逐艦に対して4本魚雷を発射。艦長は対抗策を講じることによってソビエトの反撃を避けようとしたが、艦長以外の全員が、近づいてくる魚雷が核兵器であることに気づく。映像は、何人もの乗組員の静止画像が、フィルムが燃えるときのように溶けていく様を見せることで、ベッドフォードとその乗組員が蒸発したことを示唆する。艦長役のリチャード・ウィドマークが高圧的かつ威厳のある、独裁的な艦長を見事に演じている。1966年3月11日~31日広小路スカラ座、併映「テレマークの要塞」。【サイズ:B2ポスター】【年代:1966年】