説明
オンミツシチショウキ ／原作：吉川英治。監督：松田定次。1955年新東宝で大友柳太朗と若山富三郎主演で製作。前将軍家宣の次期将軍への遺言状が名古屋城鯱に存在した事から、親友同士の幕府隠密と尾張剣士が争奪戦を広げながら尾張から江戸へと続く活劇編。徳川七代将軍の頃。尾張大納言の居城・名古屋城の天守閣の金の鯱に、次の将軍家後継者をきめる、前将軍の遺言状が秘められていると言われ、幕府はそれを奪おうとしていた。尾張家では、天守閣の警固に、毎夜武士二名をあてていた。尾張家一の剣士・椿源太郎（東千代之介）は、親友相楽三平（中村錦之助とその番に当った夜、三平のすすめるままに酒を飲みに屋根から降りた。三平はその間に、鯱の眼底から遺言状をとり出すと、闇に消えた。彼は幕府隠密。源大郎は共謀の疑いを持たれ、捕方を逃れて遺言状を奪い返すために三平のあとを追う。源太郎の妹・信乃（桜町弘子）は三平を慕っていた。「二度とお目には、かかるまじく、隠密なればこその苦しみにて候。」こういう投げ文があったとき、彼女も三平を求めて家を去る。二人は各々の厚い友情に反し、斬り合わねばならなかった。落雷で裂けた巨木が源太郎の上に倒れかかった。「源太郎、許せ」走り寄った三平が残したのは、この言葉である。源太郎は道中師・お駒（長谷川裕見子）、辰蔵に救われた。お駒は彼に段々ひかれて行く。江戸で三平は旗本久世邸で手厚いもてなしを受けた。将軍目通りの前夜、三平が敵の気配に抜き打ちに斬りつけたとき、血に染まって倒れたのは信乃であった。「遺言状さえなければ……あなたは私の夫……兄はお友達に……」彼女が息絶えたあと、三平は遺言状を奪った源太郎を追い再び二人の対戦。三平が信乃の最後を知らせたとき、源太郎はがっくり刀を落した。「遺言状が殺したのだ。」彼は遺言状をとり出すと、それを黒煙をあげる谷底めがけて投げ捨てる。１９５８年９月３０日〜１０月７日第一東映、併映「裸の太陽」。１９５９年３月４日〜１０日銀座東映、併映「波止場がらす」。１９６０年４月１２日〜１５日南東映、併映「百万両五十三次」【サイズ：B2地方版 プレス四つ切＆横大プレス】【年代：1958】
