藤純子引退記念映画 関東緋桜一家

藤 純子/片岡千恵蔵、鶴田浩二、高倉健、若山富三郎、菅原文太、伊吹吾郎、長門裕之、木暮実千代、嵐寛寿郎、南田洋子、天津敏、遠藤辰雄、工藤明子、待田京介、名和宏、山本麟一、藤山寛美、金子信雄、石山健二郎、笠置シズ子、山城新伍、楠本健二、潮健司、堀正夫、潮健児、林彰太郎、八名信夫、川谷拓三、国一太郎、藤浩、中村錦司、

説明

カントウヒザクライッカ/製作:岡田茂。脚本:笠原和夫。殺陣:上野隆三。音楽:木下忠司、監督:マキノ雅弘。任侠の華 藤純子引退記念映画として東映オールスターで描く。女優の引退でこれだけの花道は過去に例がない、それだけ貢献度や惜しまれてこその華であった。公開当時 劇場で2回観賞した記憶で2回とも満員だった。当然映画は大ヒット。この作品以降任侠映画は急速にダウンする傾向に流れ、ポスト純子で多くの女優が登場したが長続きしなかった。ポスターキャッチ「今さら何んにも云いません。黙って見て下さい純子別れのあで姿」。オールスターなので役者の見せ場をちゃんと見せた分は、総花的な仕上げは仕方ない。火消し一家の娘が藤純子で売れっ子芸者で腕も立つ。剣の師匠が若山富三郎で片岡千恵蔵の頭を暗殺しようとする鬼鉄一家の居合抜き用心棒天津敏に対して助ける場面の若山VS天津の居合抜き対決が見応え、若山が天津を追い詰めたところで銃で撃たれる。ラストは鶴田浩二・高倉健・純子の殴り込みの揃い踏みで悪親分(遠藤辰雄)を斬ってから、火消しの片岡千恵蔵親分の計らいで息子の健さんと純子が旅立つ折に画面に向かって純子が「お世話になりました」といって観客に別れを告げる場面がとても良い。ここでファンが泣ける場面。冒頭の柳橋人力車の登場場面、長門裕之・林彰太郎・楠本健二との絡みから純子の艶姿が眩しい。とび職一家の頭で純子の父親が水島道太郎、子分に菅原文太、待田京介・伊吹吾郎・潮健司。新堀一家親分に嵐寛寿郎・代貸に名和宏(鬼鉄に寝返る)・丘路千。火消し「に組」組頭が御大片岡千恵蔵・家出した息子が渡世人の健さんで純子の恋人、「に組」小頭に菅原文太。純子の父親水島道太郎が田宮流抜刀術の使い手天津敏に闇討ちされて殺される。純子が芸者を辞めて跡目を継ぎやくざの鬼鉄一家と対立。鶴田が渡世人で新堀客分で健さんの兄弟分、金子信雄が警察署長。マキノ監督らしく火事場面と木遣りが随所に登場する。悪ボス鬼鉄一家が警察あがりの遠藤辰雄で子分に楠本健二・天津敏・八名信夫・川谷拓三でオールスターの見せ場たっぷり任侠映画。タイトル順位は純子・鶴田・高倉・若山・文太・待田・山城・伊吹でラストは藤山寛美で止めが片岡千恵蔵。殴り込み殺陣場面は小沢茂弘演出でリアルに展開、鶴田が新堀二代目名和宏を始末してから最初に乗り込み八名を殺してから立ち回り、健さんが後追いで長脇差で天津を斬り、純子がピストルと槍と長ドスで立ち回り遠藤辰雄を健さんと純子共同で叩っ斬る。着物姿でこういう立ち回りが出来る女優は自身知る限りは以降不在。千恵蔵が何と言っても貫禄、アラカン嵐寛寿郎の老け具合が顕著だけに木暮実千代と共にラストを見届け。評価はあれど任侠映画最後の華として記憶と記録に残る映画。1972年3月4日〜17日豊橋東映、併映「夜のならず者」。【サイズ:B2】【年代:1972年】