長い鼻

動物ドキュメンタリー映画・解説:NHK宮田輝

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説明

ナガイハナ/製作:永田雅一、ラン・ラン・ショウ。撮影:千石秀雄。音楽:斉藤一郎。監督:今村貞雄。大映製作の日・印合作映画。インドへ長期ロケしてインド象を主人公にした動物劇映画。インド半島の大密林地帯に棲息する一組の夫婦象。二頭の間にはかわいい仔象がいる。父象は一群のリーダー格で、歴戦の勇士。片方の牙を失った巨象である。象たちは仔をつれて川へ水浴びに行き、それがすむと食事。象の食糧は竹の葉、幹などである。竹林が食いつくされると次の土地を求めて移動する。そのうち象たちに発情期が訪れて一本牙と若い牡の間に、牝象をめぐる凄惨な闘いがくりひろげられ、一本牙は若い力に勝てず敗北。一本牙はリーダーの地位から滑り落ち、一行のあとから力なくついて行く。新リーダー一行が新しい緑林近くにやって来たとき、一本牙は先日の闘いで倒れる。お母さん象と仔象そして群の中の牝象たちの見守るなかで、一本牙は苦しみの末に死ぬ。仔象は父の死を知ってか知らずか、動かなくなった一本牙の体へ無心に鼻をこすりつけている。母仔象は先に行った一行のあとを追いつづけたが、母象の不注意から仔象は住民の仕掛けた「ピット」に落ちこんでしまった。その夜、集落では仔象に作業象の印しである“黄金の鈴”をつけてお祭りを行った。母象は仔象を奪うため他の象たちと一緒に集落を襲い、仔象を探し出した。だが仔象の首にはすでに“黄金の鈴”がついている。母象は鈴の音に、仔を残して去る。仔象は母象を追って密林を走るうち、沼地にはまり込んだ。脱しようと身をもがく仔象の首から、“黄金の鈴”をつけた赤い紐がプツリと切れた。仔の悲鳴を聞いてかけつけた母象が現われ仔象を救い出し、母と仔はお互いの幸福を喜び合う物語。ディズニーが製作しそうな物語。68分。1958年5月21日~27日丸物会館、併映「神秘の国インド」。【サイズ:A2 大映写真ニュース】【年代:1958年】