説明
ケイシチョウモノガタリ ナゾノアカデンワ/企画:斉藤安代。脚本:長谷川公之。音楽:富田勲。監督:島津昇一。1956年から始まった警視庁物語シリーズも18作。刑事役で南広が加入。白昼の銀座で誘拐された道子という少女が三日後、行李詰の死体となって発見された。新たな誘拐事件が発生。警視庁の捜査主任と三人の刑事は渋谷の小林邸で、誘拐された信彦少年の両親から犯人の脅迫状を見せて貰った。父順之助夫妻(伊沢一郎と風見章子)は、数日前に紙入れを掏られたこと、自分の会社で遣い込みをした社員山岡をクビにした以外に心当りはないという鑑識課の調べで、脅迫状は先の道子事件の時と同じ活字によるものと判った。犯人から百万円の身代金要求の電話が小林邸にかかる。当局は青山電話局の協力でその声を録音することに成功した。一方、芝の水着喫茶に張り込んだ北川刑事(南広)は山岡弘を捕えたが事件に無関係。再び小林邸に電話をかけた男が、浜松町駅前の公衆電話ボックスで、パトカーに追いつめられた。掏摸のイタチの松(岡部正純)で、池田(亀石征一郎)という男に頼まれて道子を一晩預かったことや、信彦少年の父から掏った名刺と家族の写真を池田に渡したことを白状。道子と同様、信彦を誘拐したのは池田だった。池田が働いていた印刷所や下宿を捜査して大学への入学金欲しさの犯行と判明。高飛び寸前の池田は手錠をかけられ信彦少年は自動車のトランクから救出された。学歴社会の悲劇を描くがこの作品が公開された翌年1963年に史上最悪の誘拐事件「吉展ちゃん事件」が発生、黒澤明監督の「天国と地獄」も公開されたのも1963年。1962年6月24日~30日第一東映、併映 市川右太衛門「男度胸のあやめ笠」。1962年9月16日~18日銀座東映、併映「ちいさこべ」。【サイズ:B2】【年代:1962年】