警視庁物語 行方不明

堀雄二・南広/神田隆、花沢徳衛、今井健二、山本隣一、須藤健、大木史郎、松本克平、加藤嘉、片山滉、河合絃司、水上竜子、中野誠也、大村文武、杉義一、木村俊惠、小林裕子

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説明

ケイシチョウモノガタリ ユクエフメイ/企画:斉藤安代。脚本:長谷川公之。音楽:菊池俊輔。監督:小西通雄。1956年から8年間続いた警視庁物語シリーズも24本。企画者斉藤安代が系列のテレビ局NETに出向した為にシリーズは打ち止めとのイメージ。冒頭、大平皮革の技術部長(加藤嘉)が警視庁本庁を訪れ、二人の技師が行方不明であると相談するところから始まる。タイトルから警察車が本庁のある桜田門から大平皮革会社に向かうまでの道順を映し出す。会社のある場所は墨田区八広および東墨田区の荒川沿いに広がる木下川地区のようだ。東墨田周辺は1909年(明治42年)から1937年(昭和12年)にかけて墨田区内に屠畜場があり、そこから発生する皮革を扱う産業が発達。他の皮革産業集積地に比べ豚革の加工が盛んであり東墨田地区はその中枢。これに伴い豚脂など動物性油脂を扱う業者も多く、これを原料とした石鹸産業も発展。そこは前作『自供』の死体発見現場である四ツ木橋水門付近のすぐ近くであり、本作の川さらいをして死体を探す場面もおそらく前作と一緒にまとめて撮影されたものだと思われる。聞き込みしている堀雄二と山本麟一が、この辺りに漂う皮革なめしの臭いが死体の匂いに似ているとしゃべる場面があるが、こういうセリフは実際に死体の匂いを嗅いだ者の実体験の基づいたセリフである。警視庁の戸川主任(神田隆)が硫酸を入れたビーカーとネズミの死体を持って取調室に入ってきて、ネズミをビーカーの中に放り込んでどの程度で溶けだすものかの実験をする辺りから、事件の展開は大方の想像はついてくるのだが、行方不明の二人の技師の行方が捜査の焦点になる。学歴詐称と成りすましから始まる悲劇は高飛びをしようとする犯人を浅草で刑事たちが探し回る場面。隠し撮りによる短いショットをストリングスによる劇伴にのせてモンタージュしサスペンスを盛り上げてクライマックスを迎える。1964年12月5日~11日豊橋東映、併映「刑事」。【サイズ:B2&立看板】【年代:1964年】