見知らぬ乗客

ファリー・グレンジャー/ルース・ローマン、ロバート・ウォーカー、レオ・G・キャロル、ケイシー・ロジャース

説明

ミシラヌジョウキャク/原作:パトリシア・ハイスミス。音楽:ディミトリ・ティオムキン。監督:アルフレッド・ヒッチコック。テーマ的にも手法的にもヒッチコックの技巧が結実したサスペンス映画の傑作。交換殺人を持ちかけられたテニス選手の恐怖を描く。テニス選手のガイは、不貞な妻ミリアムと離婚して上院議員の娘アンと再婚することを望んでいた。そんなある日、ガイは列車の中で見知らぬ男ブルーノから話しかけられる。ブルーノはなぜかガイの事情を良く知っており、ミリアムを殺す代わりにブルーノの父親を殺して欲しいという“交換殺人”をガイに持ちかける。ガイは相手にしなかったが、その後ブルーノは本当にミリアムを殺害し、ガイにも殺人を実行するよう付きまとう。開巻の視覚的な、二人の男の“接近遭遇”を示すショットの連なりからして、大胆で素晴らしい効果。その男ブルーノ(ロバート・ウォーカー)は、ガイが悪妻ミリアム(エリオット)と別れたがって果たせないでいるのを知っていた。ガイは国会議員モートンの娘アン(ローマン)と一緒になりたいと思っていた。確かに動機は存在する。ブルーノは列車内でくすねた彼のライターを“物証”として握っている。アリバイも怪しげで、ブルーノの脅迫にビクついていたガイはいよいよ警察に不信の目でみられる。有名な遊園地を舞台にした二つの殺害現場をクライマックスや、全員が首を左右に振って見入るテニスの試合でただブルーノの首だけが動かずガイを見つめている、といった何気ないショットの計算の確かさにも目をみはらされるヒッチコックアート。第24回1952年アカデミー賞撮影賞ノミネート。ブルーノ役のロバート・ウォーカーはこの映画が製作された1951年8月に32歳で死去。豊橋での公開は1953年。1953年8月13日~19日豊橋メトロ劇場、併映「踊る大紐育」。【サイズ:B5パンフレット】【年代:1953年】