裏窓

ジェームズ・スチュワート/グレース・ケリー、ギグ・ヤング、レイモンド・バー、セルマ・リッター、ウエンデル・コーリー

説明

裏窓/原作:コーネル・ウールリッチ。脚本:ジョン・マイケル・ヘイズ。音楽:フランツ・ワックスマン。監督:アルフレッド・ヒッチコック。ヒッチコックが技巧の極みを尽くした傑作サスペンス。カメラマンのジェフ(ジェームズ・スチュワート)は足を骨折し、ニューヨークはグリニッチ・ヴィレッジのアパートで療養中。身動きの取れない彼にとって退屈しのぎの楽しみは、窓から見える中庭と向いのアパートの住人たちを眺める事だけ。だが、その中で、セールスマンの夫(レイモンンド・バー)と激しい口論をしていた病床の妻の姿が見えなくなった事に気づいた。セールスマンの様子を窺う内に、ジェフはその男が女房を殺したのではないかと推測、恋人のリザ(グレース・ケリー)と看護人ステラ(セルマ・リッター)の協力を得て調査を始める。全編ほとんど、ジェフの部屋から出ることのないカメラは、観客と主人公を完全に一体化させる効果を生み、緊迫感とリアリティを作り出している。そして主人公が“動けない”という究極のハンディキャップ。小出しのサスペンスが重ねられ、やがて疑っている相手がこちらを意識した時に、その波は最高潮に達する。しかし、ヒッチコックの妙味はサスペンス部分だけではない。冒頭、ジェフがカメラマンであり、どういう事故に遭った事かなどを1カットで説明する辺りにもそれは発揮されており、向かい側のアパートの住人たちの点描などもユーモアを交えた巧みな作り方である。スチュワートの個性、リッターの達者な芝居も見どころだが、ケリーのため息が出るほどの美しさが見所。2019年第17回とよはしまちなかスロータウン映画祭で上映。1956年4月4日~7日豊橋メトロ劇場、併映「ポーリンの冒険」。【サイズ:B2】【年代:1956年】