緋牡丹博徒 一宿一飯

藤 純子/鶴田浩二、若山富三郎、白木マリ、城野ゆき、菅原文太、待田京介、山城新伍、村井国夫、西村晃、水島道太郎、遠藤辰雄、天津敏、玉川良一、阿波地大輔、堀正夫、小嶋慶四郎、藤岡重慶、志賀勝

説明

ヒボタンバクト イチシュクイッパン/脚本:野上龍雄・鈴木則文。殺陣:谷明憲。音楽:渡辺岳夫。監督:鈴木則文。大ヒットシリーズ第2作。主題歌:藤純子作詞・作曲 渡辺岳夫「緋牡丹しぐれ」。冒頭東映マークの後、お竜口上から始まり八木節背景に明治中期上州富岡と字幕が出て物語に引き込む展開が則文監督の演出が実に上手い。冒頭からワクワク感、オープニングの明るい八木節に高まりを覚えてラストはしんみり八木節で終わる味な構成、ゲストは鶴田浩二で特別出演。菅原文太が悪ボス笠松(天津敏)の用心棒でお竜と対峙、善玉戸ヶ崎一家親分には水島道太郎、罠にはまって射殺され、天津一家の度重なる悪行三昧に耐えかねたお竜が子分山城新伍を従えて主題歌を背景に連れて殴り込む。鶴田はお竜を助けながら犠牲で死ぬ。刺客に襲われたお竜が堀に投げ込むスローモーションが美しく鈴木則文監督の真骨頂とも言える場面に感動してお竜姐御に惚れ込んだ高校2年の秋でしたね。印象的なのはお竜が天津敏に犯された城野ゆきに言う右肩の刺青を見せての台詞「女だてらにこギャンもんば背負うて生きトッとよ、人を好きになるのは心、肌に墨は打てても心にやあ誰も墨を打てない」と女として説く純子菩薩。イカサマ女胴師に白木マリで情夫の西村晃の夫婦が一方の愛の姿、鶴田が二人を逃がした生家で八木節や人間らしい幸せについて純子に語る場面が芝居としていい。前作でお竜と義兄弟になった四国道後の熊虎親分に扮した若山富三郎が笑わせる。養蚕業で生活する百姓が霜害で桑畑が全滅して蚕を育てられないで、娘は身を売って田畑を悪どい高利貸しに取られる実情で反発した百姓を鎮圧したのが警察と明治政府だった「秩父事件」がモデル。1968年11月22日〜12月6日豊橋東映、併映「大奥絵巻」。1969年5月21日〜27日松竹シネマ、併映「博徒一代血祭り不動」【サイズ:B2】【年代:1968】