説明
ゾク アクミョウ/原作:今東光。脚本:依田義賢。美術:内藤昭。音楽:鏑木創。監督:田中徳三。江戸っ子勝新が二枚目から完全に脱皮できた関西弁八尾の朝吉の「悪名」シリーズ第二作。時代設定は昭和満州事変の頃、大阪へ戻った朝吉とモートルの貞は、前作で因縁のある吉岡親分(山茶花究)を窮地に陥れた松島一家の長五郎(山路義人)を半殺しにする。子分であるモートルの貞・お照夫婦(田宮二郎・藤原礼子)に子供が出来た事で、足を洗おうとした朝吉に松島一家の元締め(中村雁治郎)は朝吉の度胸に惚れ込み、カポネ一家との喧嘩を前に長五郎の縄張りと子分を押しつける。自分たちでカポネ一家と闘おうとしたそんな折、朝吉に召集令状が届き、彼は意を決して組を解散。その甲斐も虚しく、モートルの貞は朝吉入隊の夜、チンピラに刺されて死んでしまう。貞が雨の中で刺されるシーンは見もの。浪花千栄子が関西の女親分で見せるし、ラスト朝吉の出征を見送った弟分の貞が雨の中で刺客に刺される俯瞰撮影の場面がとても映画的で良い場面。大映撮影所でラストの貞殺害場面が撮影された。鏑木創の印象的な音楽が情緒を盛り上げる。アンハッピーな結末が強烈な印象を与えて、観客はショック。シリーズ終了どころかヒットしたので改めて次作「新悪名」が舞台が戦後になって、貞の弟として清次の登場となる。1962年1月14日~21日丸物会館、併映「うるさい妹たち」。1962年3月14日~19日千歳劇場、併映「野盗風の中を走る」。1962年6月1日~2日二川銀映、併映「決断の三時十分」。【サイズ:B2ポスター】【年代:1961年】