疑惑

岩下志麻・桃井かおり/丹波哲郎、山田五十鈴、森田健作、三木のり平、松村達雄、小沢栄太郎、北林谷栄、柄本明、仲谷昇、鹿賀丈史、内藤武敏、真野響子

説明

ギワク/原作・脚本:松本清張。音楽:芥川也斗志、毛利蔵人。監督:野村芳太郎。岩下志麻&桃井かおり主演。松本清張の同名小説を作者自身が脚色し、野村芳太郎監督で映画化したサスペンス。殺人容疑者の女性と彼女を弁護することになった女性弁護士の感情のぶつかり合いを軸に描く。富山県新港湾埠頭で車が海中に転落、乗っていた地元の財閥白河福太郎(仲谷昇)は死亡したが、後妻の球磨子(桃井かおり)はかすり傷ひとつ負わずに助かる。球磨子は過去に情夫と共謀して数数の犯罪を起こしていたことが判明。彼女は夫に三億円の保険金をかけており、この事故も、泳げない福太郎を殺すための擬装ではないかと誰もが疑う。北陸日日新聞の秋谷(柄本明)が積極的に報道を始めた。物的証拠がないまま球磨子は逮捕された。強気の球磨子は弁護士の原山(松村達雄)を通じて、東京の花形弁護士、岡村(丹波哲郎)に弁護を依頼するが、彼女の不利な立場に拒否され、原山も健康を理由に辞退。そして、女弁護士の佐原律子(岩下志麻)が国選弁護人として選ばれた。球磨子は同性でありながら自分とは違いすぎる立場にいる律子に反感を待った。律子も同じ気持だったが、偶然の事故から福太郎が自殺を企みようとしたことをつきとめた。球磨子は無罪となるが保険金は手に入らなかった。球磨子は懇願されて嫁いだ先の家族から徹底的に蔑まれ、あらゆる権利を剥奪されてしまう過去。律子は他の女性に夫を奪われ、ひとり娘との面会の機会さえ奪われてしまう。どんなに悔しくても悲しくても彼女たちは一滴の涙も流しません。押し黙り、ただ前を見据えるだけという立場は違えど強い女性の生き方が映る。ラストのラウンジでの対決、「自殺の場合は保険金が下りないっていうのよ。保険金がダメなら慰謝料とってよ」と媚びてくる球磨子に対して、冷たく拒否する律子。2人は互いに「あんたみたいな女は大嫌い」と罵り合い、球麿子は律子の真っ白なスーツに赤ワインをかける。スーツが赤く染まっても律子は無表情で球麿子の顔にワインを思いっきりぶっかけます。静まり返る店内。そしてワインまみれになった2人は、「これまで通り、私は私のやり方で生きていく」と互いに宣言する。クズばかりの環境で生きていくために、なりふり構わずに自分の力で生きてきた球磨子と、男ばかりの環境の中で女性弁護士として努力してきた律子。球磨子は他人からの信用を犠牲にし、律子は幸せな家庭を犠牲にした。女性として自分の足で生きていくために、孤独な戦いを強いられてきた球磨子と律子が激しく火花を散らしながらも、確かに共鳴し合っていた姿がある。1982年9月8日公開豊橋松竹。【サイズ:A4パンフレット表紙 表・裏】【年代:1982年】