説明
キョウソウセックスゾク/脚本:鈴木則文・皆川隆之。音楽:上田正樹。監督:皆川隆之。皆川隆之監督昇進第1回作品。スピード狂の若者(白井孝司)と彼を追走する白バイの警官(渡瀬恒彦)。現代の若者が、欲求不満をオートバイにぶつける、そのスピードを通してひとつの青春像を描くアクション篇。渡瀬恒彦は主人公の割に出番が少なく、いちいちつっかかる白井孝史をその都度半殺しにする。恋人の伊佐山ひろ子とは倦怠期で妙にアンニュイな雰囲気が漂い、東映映画の男女関係には珍しい機微がある。だがその結果、目の前で白井孝史に伊佐山ひろ子を寝取られるという冴えない展開に。白井孝史はその後杉本美樹もモノにしてしまうので、渡瀬恒彦は全くいいところが無い。この映画は、観客が白井孝史に自己投影する造りになっているので、欲望の限りを尽くして良い思いをするのは白井孝史であり、あくまで倒すべき体制側の人間である渡瀬恒彦は苦渋を飲むばかり。1973年4月28日~5月11日豊橋東映、併映「仁義なき戦い広島死闘篇」。【サイズ:B2】【年代:1973年】