説明
アサマノカラス/原作:長谷川伸。脚本:衣笠貞之助。音楽:渡辺浦人。監督:田坂勝彦。長谷川一夫主演、沓掛時次郎を主人公にした股旅時代劇。信州沓掛の時次郎は、一宿一飯の恩義から六ッ田の三造を斬る。その三造からその女房おきぬと子供太郎吉の行末を托される。やくざ稼業が嫌になった彼は、おきぬの三味線で信州追分の門附をしながら中仙道熊谷宿までたどりつく。おきぬは死んだ三造の子供を身ごもって臨月になっていたので働くことも出来ず年の瀬を迎えた。そのため生活にも困り、生れて来る子供の用意も、と心あせった時次郎は、二度と足を踏み込むまいと決心していた土地の親分同志の喧嘩に助っ人に雇われて資金を稼ぐ。昼夜十二刻で一両の日当を稼ぐため時次郎が生命を刃の下にさらしているとき、おきぬは難産のため時次郎の帰りを待ち兼ねて死んで行く。太郎吉の手を引いて再び旅に出た時次郎は子供を堅気にする意志を強く持つ。六田の三蔵には黒川弥太郎、おきぬには山根寿子。長谷川伸原作の「沓掛時次郎」はこの作品以降、日活1954年島田正吾、大映1961年市川雷蔵、そして東映1965年での中村錦之助「遊侠一匹」と映画化、テレビでも鶴田浩二や大川橋蔵が演じた。1953年2月19日~25日豊橋丸物会館、併映「二つの処女線」。1953年10月14日~20日千歳劇場、併映「こんな私じゃなかったに」。【サイズ:B5キネマ旬報広告】【年代:1953年】