沙羅双樹

樋口可南子/河瀬直美、生瀬勝久、福永幸平、兵頭祐香

説明

サラソウジュ/カy九品・監督:河瀬直美。音楽:UA。樋口可南子主演。カンヌ映画祭で新人監督賞を取った「萌の朱雀」「火垂」に続く長編で、河瀬直美監督が再び故郷・奈良を舞台に撮ったミステリーっぽい作品。地蔵盆の日に双子の兄が突然行方不明になり、その喪失を抱えた家族が、長い時間をかけて少しずつ日常を取り戻していく姿が四季の移ろいとともに静かに描かれ、兄の失踪という深い悲しみを背負った少年の成長をつづる人間ドラマ。美しく神秘的な奈良の街並みが物語を彩どる。また物語は大事件よりも、家族の日常の仕草や空気感を追うようなスタイルで進むので淡々としていて退屈感を感じる。突然の失踪で生まれた「喪失」と、その後に訪れる新しい命や時間の流れのなかで、家族が少しずつ「再生」していく姿が大きなテーマとなっている。沙羅双樹とは花の名前。墨職人の父・卓(生瀬勝久)は、間近に迫った<バサラ祭>の実行委員長として、準備や打ち合わせに余念がない。臨月を迎えた母・礼子(河瀬直美)は、大きなお腹を抱えて畑仕事に精をだし、生まれてくる命に家族の絆が再生することを期待している。俊は、屋根裏部屋にこもって等身大のキャンバスに向かい、忘れることのない圭への想いを刻みつけている。女手ひとつで夕を育てあげた母、晶子(樋口可南子)は、気丈に小料理屋を切り盛りし、夕もそんな母の仕事をそっと支えている。やがて、あの日から5年目の地蔵盆の日が近づいてくる。ある日、刑事が訪れ圭の消息が知らされる。言葉にならない悲しみに沈む麻生家の中で、ひとり俊は、重すぎる事実をまだ受け止めることができずに、人目もはばからずに泣く。一方、夕は自らの出生の秘密を母から明かされる。それぞれに失ったものを胸に秘めつつ、引き寄せられるかのように二人きりになる俊と夕。夕闇が優しく彼らを包み込む。そして、バサラ祭が始まった。人々の熱気の中でも先頭を切って踊る躍動感に満ち溢れる夕に、人員整理係の俊も引き込まれて踊り出し、心地よい通り雨に祭りはピークに達する。翌朝、完成した俊の絵を前に、夕は手作りの身代わり猿を俊に手渡す。祭り場面が映画の中で動きがある場面。家族、故郷のドラマであるがジャンルはミステリー。2003年7月12日公開、豊橋での公開実績は不明。【サイズ:B2ポスター】【年代:2003年】