説明
ハヤウチイヌ/脚本:藤本義一。音楽:山内正。監督:村野鐵太郎。田宮二郎主演のガン・アクションシリーズ第7作。今回はギター抱えた流し、相棒の常さん・藤岡琢也と二人で流しているけど、空前のビートルズ・ブームからGSブームの時代。若者たちのビートに合わせてエレキギターを演奏するシーンも。アパートには白タク・小沢昭一と女房・坂本スミ子、キンキラの着物のオカマちゃんのようなキャラの財津一郎。悪のボスには伊達三郎と腹心に成田三樹夫。伊達三郎は北村寿太郎に怪しげな新興宗教をやらせていて、信者に「天心水」と称してヘロイン入りの水を売る悪商売。ホステス江波杏子も薬漬け。大介の流し仲間の女の子・嘉手納清美が、失踪した姉・江波を探す。お馴染みの曲射ちは、伊達三郎の事務所でスカウトを受けてのパフォーマンス。凄腕だけど、決して人は殺さない。このポリシーが鴨井大介を映画のヒーローとして魅力的にしている。成田は江波杏子をクスリ漬けにして、欲望の恣にしている。伊達三郎は、自分が逮捕間近なので、教祖・北村寿太郎を自分の替え玉にして、クルマを爆破させて殺害。クルマの持ち主・小沢昭一が指名手配されて天知茂の木村刑事が大阪から出張、大介に捜査協力を依頼して、アパートに張り込み、二人の奇妙な共同生活が始まる。田宮二郎と天知茂のバディ感覚。鴨井はベッドの下に隠してあるアタッシェケースには007のように拳銃をパーツにして収納。靴底には予備の弾丸が入っているし、ハンチング帽につけたミニチュアの拳銃型バッジから実弾が発射される仕掛けが様になる。ラストの新興宗教一網打尽のシーンの禍々しさもいい。財津一郎のオネエキャラが、実は颯爽と!というオチが全てをさらっていって、この頃の財津人気を実感。1967年6月10日~23日広小路豊橋大映、併映マカロニウエスタン「荒野の棺桶吹替版」。1967年12月6日~12日松竹シネマ、併映「ある殺し屋」。【サイズ:B2】【年代:1967年】