説明
ニッポンジョキョウデン ケットウミダレバナ/脚本野上龍雄。殺陣上野隆三。監督山下耕作。シリーズ第4作は藤純子が人妻として登場。明治中頃、大坂船場の放蕩商人の主人津川雅彦を助けて、勝ち気な藤純子が九州直方の炭鉱経営を引き継ぐ。悪德ヤクザであり炭鉱利権を一手に狙う大木実一味に邪魔をされるが、健さんの父親水島道太郎頭領に頼み上質な炭鉱を見つけることに成功する。気に入らない大木実が運搬の横やりを入れて善良な経営者達を虐める、めげない純子が全財産をつぎ込んで健さんに頼み運搬を続けるが船頭元締め天津敏や水島道太郎など周囲の人々を殺されて全て自分の精と泣く。炭鉱を閉じる事にした純子に健さんが「惚れた人の夢を壊さないで欲しい、あんたの旦那と自分の父親が命を掛けた山だから」と訴える。純子と健さんの切ないラブシーンが泣かせるが、河船頭吉岡組の健さんは黙って大木実一家に殴り込み遠藤辰雄など叩っ斬るが、重傷を負い純子の面影を観ながら息絶える。ラストは川船から鉄道に変わった時代の流れを山本麟一と共に語りながら、川の土手に赤い斜面花が咲いて純子がじっと川面を見つめる。天津敏が良心の呵責に悩む船頭の村井組元締めに扮して印象的。山本麟一が純朴な使用人、殴り込み場面は健さんの「~遠賀 土手往きゃ雁が泣く 喧嘩博奕に明け暮れて 炭鉱太郎と呼ばれていても胸に抱いた夢ひとつ~」と流れる。この頃山下監督はストップモーション多用傾向で山下監督得意の真っ赤な血が飛び散る。1971年4月3日〜15日豊橋東映、併映「現代やくざ 盃返します」。1971年8月25日〜31日松竹シネマ、併映「男はつらいよ奮闘篇」【サイズ:B2】【年代:1971】