説明
ニホンキョウカクデン ケットウカンダマツリ/脚本:笠原和夫。音楽:斎藤一郎。殺陣:谷明憲。進行主任:並河正夫。監督:マキノ雅弘。高倉健主演の「日本侠客伝」シリーズ第4作。大正10年、火消しの纏持ち健さんが東京神田の呉服問屋澤正の若旦那小林勝彦を博奕で誘い財産を悪ヤクザ天津敏が高利貸し遠藤辰雄を抱き込んで奪い取るのを阻止。河津清三郎が火消しの親分でまことに適役で最初からのヤクザではない稼業人が主人公であるところがミソで一家には大木実・里見浩太郎・山本隣一。藤山寛美が火消しになりたい男。他の火消しには内田朝雄・阿部九州男。鶴田浩二が天津一家の客分で野際陽子と夜逃げして追われる立場だが特別出演で助っ人。天津一家には小田部通麿・楠本健二・加藤浩。藤純子が小林勝彦の女房で芸者。マキノ節が冴える男稼業任侠伝で剛の健さんに対して柔の鶴田の対照模様。ラストは祭礼の夜、天津に捕まった純子と山城を助けるために鶴田が野際を迎えに来た大阪の長門裕之に託して送り返して単身先に殴り込んで天津にピストルで撃たれながら壮絶な最期、知らせを聞いた健さんが手鉤を持って殴り込み、里見や大木など火消し一家と共に藤山が半鐘叩いて殴り込む。藤山寛美と中原早苗、健さんと藤純子、鶴田と野際の3組の恋模様を対比しながら実らぬ恋と相手を思いやる様子を描く。任侠映画フアンが喜ぶ痛快娯楽篇でラストは火消し木遣りで健さんを見送る。「日本侠客伝」で鶴田が健さんと共演するのは4年後「日本侠客伝昇り竜」まで待つことになる。北島三郎の主題歌「意気に感じ情けに死ぬもままよ男が決めた道、たかが五尺の体じゃあるが明日を夢見て燃える心が消さようか~」が切なく流れる。1966年2月3日〜16日豊橋東映、併映「夜の牝犬」。1966年4月15日〜22日銀座東映、併映「忍びの者 新霧隠才蔵」。1966年6月20日〜22日南東映、併映「ほんだら剣法」【サイズ:B2】【年代:1966】