説明
ニホンキョウカクデン キリコミ/脚本 笠原和夫。殺陣 谷明憲。音楽 齋藤一郎。進行主任 並河正夫。助監督 原田隆司。監督 マキノ雅弘。日本侠客伝シリーズ第7作。旅先で病気になった子供の命を救う為に命を売った健さん、テキ屋の親分石山健二郎と娘の藤純子に息子の命を救って貰った健さん扮する中村新三が神農道の仲間に入り頭角を表す。東京新宿の露天商ボス大木実と兄弟分になるが、縄張り拡大を企む悪ボス総州屋こと渡辺文雄や代貸アイパッチ天津敏の一家の迫害に立ち向かう。中村一家を起こした健さんが芸者に身を売った純子と共に一家を養うが、渡辺一家に大木を闇討ちされて遂に名刀「関の孫六」を一生一度の命を掛ける時に使うとして、純子が口で封印を切る場面が泣かせる、子連れ健さんが純子と夫婦になるハッピーエンド。善玉に金子信雄や長門裕之や林彰太郎。タイトルバックに流れる健さんの歌「~義理を背負った男なら笑われようとやるだけさ、こんな浮世にや未練はないが可愛いこの子がある限り、俺の命を賭けるのだ~」と「日本侠客伝白刃の盃」主題歌が流れる。オープニングのSLはC57。マキノ演出はやくざ稼業でなく仕事を持った侠気の男達を描く群像劇が上手いので、出演者達が活き活きする庶民気質が楽しい、石山の頑固親父や純子の勝ち気な押しかけ女房、芸達者な弁天福の金子信雄・長門裕之が活きている。テキ屋の啖呵売りは後年の渥美清「男はつらいよ」シリーズで表舞台に躍り出る。予告編の展開と本編の内容が違う見本でラストは「~やると決めたらどこまでも俺がやらなきゃ誰がやる~」の主題歌と共に殴り込む格好良さで健さんに惚れ惚れする任侠篇。健さん着流しの背中に「南無妙法蓮外経」の文字。1967年9月15日〜27日豊橋東映、併映「夜の歌謡シリーズ柳ヶ瀬ブルース」。【サイズ:B2】【年代:1967】