説明
ニホンノジンギ/脚本:神波史男・松田寛夫・中島貞夫。技闘:上野隆三。監督:中島貞夫。「日本の首領」のヒットに続いて経済やくざの実態と暴力団の盛衰を東映カラーキャストとは違う俳優陣を交えて製作されたオールスター群像劇。テンポが遅いので退屈した記憶だしフランキー堺はヤクザ物には合わない感。構成員4500名の大阪新宮会の藤田進が引退、二代目の須藤組菅原文太と千葉真一が親分・子分関係、鶴田浩二が菅原文太の義兄でも立場は組織の会長、鶴田の妹岡田茉莉子が文太の女房、鶴田の女房が南田洋子、池波志乃が文太の情婦という関係。四国松山市で敵対組織大阪千田組との喧嘩を避けようとする鶴田は、文太から喧嘩に持ち込む指示命令に従わずに鶴田は引退、子分のフランキー堺に一家を任せる。そのフランキーが慕う文太夫人の岡田茉莉子の子どもと接する時に対抗組織で構成員9000名を誇る大阪千田組に襲われて重傷を負う。怒ったフランキーは千田組にダイナマイトで逆襲、千田組が須藤組の文太事務所を襲撃して報復。警察に捕まっていた千葉真一が戻るが須藤組武闘派菅原文太は千田組との徹底抗戦を叫び、山本隣一、織本順吉など幹部などは抗争をめぐり分裂イメージになる、そんな矢先自暴自棄になったフランキー堺が民家に立てこもって人質をとり警察との銃撃戦を展開する。鶴田が駆けつけ説得するが警察に撃たれて死亡。須藤組会長の文太はあくまでも戦争主張する。新宮会総長藤田進は度重なる抗争事件で文太に二代目返上を申し付けるが鶴田が庇う。文太はクスリ漬けに近い状態だった、千葉が文太に千田組との手打ちを進めるが文太は聞かない、若者頭千葉真一は文太を殺す決意をする。文太が焼き肉店に千葉を呼び出して千葉と仲直りしようとするが、千葉の子分地井武男、志賀勝に襲撃されて死亡、新宮会藤田進総長が通夜の席で「殺ったのは誰だ」と問うが、「あんただ」といったのが記者役の林隆三。そして引退した鶴田浩二がラストに千田組先代法要の会場に一人乗りつけてストップモーションで銃声が響いて映画は終わる。野坂昭如が編集長、岡田英次が鉄道会社の社長、千田組に佐藤慶と成田三樹夫、待田京介が警察。仁義なきアウトローの世界はカタルシスに欠けていて情念の世界を描いた任侠のときめきが遠くなった。1977年5月28日〜6月17日豊橋東映、併映「演歌で綴る任侠の系譜」。【サイズ:B2】【年代:1977】