説明
ハタモトタイクツオトコ ナゾノサンゴヤシキ/原作:佐々木味津三。脚本:結束信二。音楽:山田栄一。監督:中川信夫。市川右太衛門の旗本退屈男シリーズ第29作。1962年1月公開。今回は昔の抜け荷・海賊仲間が各々豪商となりながら財力への執着で非道な悪事を繰り返し仲間を殺し、冨を私物化しようとする元海賊や悪道場主を新築した珊瑚屋敷で斬る娯楽篇。東千代之介が剣豪浪人として主水之介と闘うがラストは味方する儲け役。監督が中川信夫になって嘗ての新東宝所属の坂東好太郎、北沢典子、小畠絹子をキャステイング、悪ボスには石黒達也、本郷秀雄、沢村宗之助などで従来の山形勲や進藤英太郎といった大物ではないところが新味。主水之介は銅右衛門(石黒達也)の命をうけた地獄道場(坂東好太郎)の刺客に襲われた。家に戻った主水之介は奉行所の古文書を調べたが、「うん、十年昔か……」と謎のような言葉を吐いた。その後、主水之介は凄腕の浪人檀造酒蔵(東千代之介)と会った。銅右衛門が雇った刺客である。大森のある料亭で、清兵衛(本郷秀雄)が平戸屋の娘おしま(北沢典子)に挑みかかった。清兵衛は十年前の平戸屋の秘密をネタに、おしまを手ごめにし、平戸屋の財産を手に入れようという魂胆だが、銅右衛門の凄じい唐手を浴びて絶命。主水之介の妹菊路(北条きく子)が何者かに呼び出され、行方不明に。主水之介は平戸屋の根岸の寮へ乗り込み、銅右衛門に向かっておしまの父六右衛門は唐手で殺されたのち、抱き合い心中させられたこと、また六右衛門は十年前、銅右衛門や清兵衛らと禁制の品を密輸した仲間だったことを暴く。おしまは父の罪におののき、銅右衛門のいいなりになっていたのだ。主水之介の愛刀が床の間の柱を斬ると宝石、麻薬などが散乱した。京弥(沢村訥升)が菊路を助け出したころ、今は主水之介と酒蔵の必殺剣が悪を斬る。ゲストは水谷良重と東千代之介。坂東好太郎の悪道場主はあまり強くなくあっけなく斬られる。正月映画とは言え第4弾なので扱いは随分変化。1962年1月23日~30日豊橋第一東映、併映「月給日は嫌い」。1962年3月14日~20日銀座東映、併映「八人目の敵」。1962年6月9日~12日南東映、併映「安寿と厨子王丸」。【サイズ:A6ポスター写真&スチール】【年代:1962年】