説明
カズニオボレテ/音楽:マイケル・ナイマン。監督:ピーター・グリーナウェイ。「ZOO」「建築家の腹」に続いてグリーナウェイ監督作品のサスペンス映画。“シシー・コルビッツ”という同姓同名の3人の女。祖母、娘、孫娘という関係であり、固い絆で結ばれた彼女たちにはそれぞれ夫がいるが、それ程“愛”を感じていなかった。というよりもむしろ夫(男)を既に必要としていない彼女たちは、ゲームの様に夫たちを溺死させてゆく。本作でのグリーナウェイの拘りは“数字”。映画には1から100までの数字が画面の隅々に出てくるなど、様々な数字が劇中に登場する。幾何学的な意味を持ち、美しいイギリスの田園風景を背景に、同じ名を持つ3人の女たちの夫殺しを軸に、ゲーム狂いの人間達が繰り広げる“死のゲーム”へとつながってゆく。絵画的で美しい画作りが随所に見られ、グリーナウェイ独特のセンスが全編に感じられる。音楽は勿論マイケル・ナイマンが担当し、幻想的な映像と音楽、魅惑的で奇妙なストーリー、ブラックな笑い、氾濫する“数字遊び”のイメージが次第にデカダンスの深遠へと観ているを引きずり込んでゆく。1989年3月11日公開だが豊橋未公開。【サイズ:B2ポスター】【年代:1989年】




