説明
カイダンオイワノボウレイ/原作:鶴屋南北。音楽:高橋半。殺陣:島義一。脚本・監督:加藤泰。何度も映画化された「四谷怪談」、映画で伊右衛門を二回演じたのは若山富三郎唯一人。1956年新東宝「四谷怪談」に続く二度目の民谷伊右衛門。加藤泰監督の徹底したリアリズムとローアングルで市井に生きる人々のうごめきを見事に役者陣の熱演もあって怖い物語になった。数ある「四谷怪談」映画でも秀作のひとつで近衛十四郎が直助を好演。直助に惚れられるお岩の妹お袖が桜町弘子、お袖の許嫁佐藤与茂七に沢村訥升、お岩には藤代佳子、卓悦には渡辺篤。元妻のお岩と復縁したいが父親四谷左門に反対されていたため、左門がだまし討ちにあい伊右衛門に斬られ、二枚目として活躍した尾上鯉之助も与茂七の友人役で与茂七の羽織を着たばかりに間違いで直助に斬られる脇役となる。姉妹にとって父親の仇が伊右衛門、妹にとっては許嫁の仇となり与茂七が生きていた事で共通の敵となる。ラストは直助が自分を犠牲にしてお袖と与茂七にお岩の仇をとらせる設け役。お岩・お袖姉妹の父親四谷左門には明石潮。伊右衛門に惚れる商家の娘に三原友美子。伊右衛門はどん底から抜け出したくて仕官がしたくて金が欲しいだけの欲目で生きる男。伊右衛門の友人グループに坂東好太郎・伊沢一郎・和崎俊也・林彰太郎。お梅の父伊藤屋に沢村宗之助。伊右衛門に脅され宅悦がお岩に毒を飲ませ顔が爛れて、髪をといてもごっそり抜ける場面で70分経過、驚愕した岩が柱に刺さった刀に当たり死亡、伊右衛門が床下に隠した重傷の小平(伏見扇太郎)を殺して宅悦と二人で戸板で川へ捨てる。そして伊藤屋お梅と祝言の夜にお岩の亡霊が現れ、錯乱した伊右衛門が伊藤屋一家を斬りまくる場面から狂気と恐怖の展開・「首がなくても動いて見せる」と凄む伊右衛門。厄払いで寺にこもる伊右衛門グループ、そこで伊右衛門の幻想場面が登場。この映画で唯一若山富三郎と藤代桂子が二枚目で舞踊するところが印象的な場面となりここでもお岩の亡霊が伊右衛門を苦しめて、現実に戻ると雪が降っており、境内に白装束のお袖と与茂七に直助の3人が仇討ちを名乗り大立ち回りが始まる。結果直助が犠牲となって伊右衛門グループは全員死亡してお岩と小平が昇天して「終」。情念の怖さが際立つ怪談映画。白黒・シネマスコープ87分。1961年7月3日〜8日第一東映、併映「特ダネ三十時間 東京租界の女」。【サイズ:B2】【年代:1961】




