説明
カイダンオトシアナ/脚本:舟橋和郎。音楽:大森盛太郎。監督:島耕二。個性的なバイプレーヤー成田三樹夫の唯一の主演作のホラー。優秀な商社マン倉本(成田三樹夫)は大口取引を成功させて社長に認められたが、その蔭には恋人悦子(渚まゆみ)の肉体提供という犠牲があった。やがて悦子は、倉本と社長令嬢みどりの結婚話が進んでいることを知り、倉本に結婚を迫る。悦子を捨てるかそれとも出世を諦めるか。倉本は綿密な計画を練り、悦子を深夜の会社に呼び寄せた。屋上と地下を結ぶパイプシャフトに投込まれた悦子の死体は、誰にも発見されなかった。ある夜、倉本が一人会社で残業をしていると、タイプの音が聞えてきた。だが文書部に人影はなく何の異常もなかった。ところが次の一瞬、倉本の顔が蒼ざめた。何気なく触れた椅子に、ぬくみがあったからだ。時計は悦子を殺した時刻を指している。そして彼が目をやるところすべてに、自分を見つめる悦子の顔があった。さすがの倉本も錯乱した。幻覚か、誰かの策謀か、あるいはまだ悦子が生きているのかも。倉本は死体確認に地下室に降りていった。そこには、悦子の兄西野(船越英二)が待ち構えており、追いつめられた倉本は、自分が悦子にしたようにパイプシャフトに落ちていく。1968年は大映が「怪談」映画をリバイバルを含めて多数公開した年、3月「妖怪百物語」、5月「怪談雪女郎」、6月「怪描呪いの壁」リバイバル、「怪談累ケ淵」、12月「妖怪大戦争」「蛇娘と白髪鬼」と続いた。1968年6月29日~7月12日広小路大映、併映本郷功次郎「怪談牡丹灯籠」。【サイズ:B2】【年代:1968年】