怒号する巨弾

宇津井健/天知茂、三ツ矢歌子、林寛、大友純、九重京司、扇町京子、沖竜次

説明

ドゴウスルキョダン/脚本:藤島二郎・石川義寛・監督:石川義寛。宇津井健・天知茂のアクション。第二次大戦中、天田公一(天知茂)は父と共にスパイの濡れ衣を着せられ投獄、拷問の末、父は獄中で死亡。17年後、宮本公平と名を変え、古美術商を営む公一は自分たち親子を陥れた者たちに復讐を始める。彼の最後の標的は、当時の取調べ担当刑事で今は警視総監に登りつめた志賀(九重京司)。だが復讐のために近づいたはずの志賀の娘・洋子(三ツ矢歌子)を愛してしまう皮肉。射撃場で知り合うライバル、警部・宇野(宇津井健)も戦争で家族全員を亡くしたという設定、一本気なキャラの宇津井警部と、屈折を絵にかいたような天知の比較。おまけに宇津井警部、警視総監の覚えはめでたいものの、娘の洋子さんに思いっきり嫌われている。正体が暴かれた公一は、宇野に一対一の勝負(=銃を手にして車で決闘)を挑む。名残惜しそうに公一を見つめながら、彼のレザージャケットの胸ポケットに花を一輪そっと挿す洋子。車から洋子を降ろし、ライフルにわざと弾を込めずに宇野と向き合う公一。1回目、勝負つかず。そして2回目、公一は拳銃を取り出してこめかみに当てた。空に響く銃声。自らの手ですべてを終わらせた公一の死に顔は、どこか幸せそうだった。題名倒れのアクション映画の印象。1960年11月13日~19日豊橋国際劇場、併映「地雷火組完結篇」「大江戸の侠児」。【サイズ:B2】【年代:1960年】