説明
タレコミ/脚本:瀬川昌治・永井繁夫。音楽:木下忠司。監督:瀬川昌治。8年前警察へ密告されて逮捕されて刑務所に送られた主人公安藤昇が、出所後罠にはめた黒幕を追いつめるサスペンスアクション。刑務所から出所した元相良組の組長・相良(安藤)は、8年前に自分を警察に密告したのが誰だったかを探り始める。喜劇映画で知られる瀬川昌治だが、アクション映画を多く手掛けていた時期もあり、これはその1本。緊迫したタッチのギャング物で、工夫された木下忠司の曲が演出に音楽が見事にかみ合う。悪玉サイドにはビッコの殺し屋・高松英郎、スナイパー・永山一夫など渋く、高松英郎の必殺武器が仕込み杖ってのもマニアックでいい味です。派手で分かりやすい東映のやくざ映画の雰囲気を期待しているとかなり難、生活感のある人間ドラマに重点を置いた渋さが堪能できる異色作品。安藤昇が子供と遊んでいるとき本当に優しい表情になるのが特徴。瀬川昌治監督といえば「喜劇××列車」というくらいで、東映でヒットさせた同シリーズを、松竹でなおもしぶとく「喜劇××旅行」シリーズとして継続させた喜劇一筋の人ですが、アクション映画はほかに「暗黒街シリーズ 荒っぽいのは御免だぜ」(1967年/東映京都/鶴田浩二・主演/井出俊郎、野上竜雄・脚本)があるがこちらも復讐がテーマ。木村功の奥さんが北林早苗、ストリップ小屋にたむろするチンピラに小林稔侍や常田富士男がいて安藤昇にボコられる。1968年5月14日~20日豊橋東映、併映「德川女系図」ヒット続映。【サイズ:B2】【年代:1968年】