女侠一代

近衛十四郎・清川虹子/森繁久弥、山田五十鈴、浪花千栄子、藤間紫、三国連太郎、森美樹、戸上城太郎、淡路恵子、嵯峨三智子、北上弥太郎、田中春男、渡辺篤、宮城まり子、石黒達也、須賀不二男、飯田蝶子、渡辺文雄、千石規子

説明

ジョキョウイチダイ/原作:火野葦平「女侠一代」。脚本:菊島隆三。音楽:大森盛太郎。助監督:市村泰一。監督:内川清一郎。清川虹子主演の女侠物、豪華キャストが華を添えて盛り上げた九州の女侠客島村ギンの波瀾の生涯。11年後の1969年東映「緋牡丹博徒 二代目襲名」の原作ともなり清川虹子も主演の藤純子の後見役お神楽おたかとして出演している。明治中期。九州筑豊炭田の石炭はすべて遠賀川の川舟で運ばれていた時代、川舟船頭たちは鉄道敷設に命がけで抵抗。唐戸橋の架設が争いの焦点である。男勝りの女傑島村ギンの皆木組に仕事が廻る。ギンは妻子ある地主皆木与一郎(田中春男)と家出し、若松で皆木組を創設した、度胸と気っぷで知られた女である。汽車課長の川上は根本的に川船頭との間を解決するため船頭の元締鐘馗の寅松(近衛十四郎)との掛け合いを頼み、成功すれば永久に鉄道院出入を許すと約した。ギンはダイナマイトを抱えて決死の覚悟で乗りこみ、ついに説得に成功。帰途、川船頭市造(戸上城太郎)に命を狙われたが、若い船頭吉田磯吉(三国連太郎)に救われた。市造らは鉄道線爆破を企てたが、ギンはまたも吉田に助けられて鉄道を護る。筑豊鉄道は開通し、ギンは鉄道院から表彰される。彼女は夫と娘お幸を子分紋二(北上弥太朗)にまかせて渡満。四年経過して紋二はお幸(淡路恵子)と結ばれ表具店を営み、市造は国本組を興し、吉田は若松へ戻って、九州一円の大親分になっていた。ギンは幸次(森美樹)に一生を賭けるつもりで、夫と別れて、堂島親分(須賀不二男)の世話で石炭荷役の請負業を始めた。幸次は博奕と情婦のお咲(嵯峨三智子)にうつつを抜かした。堂島は幸次と別れる方がギンのためにも、新事業の蔭の力になってくれた吉田のためにもいいと忠告した。が、ギンはきかなかった。若き日の吉田の姿を幸次の上に求めていた。ギンは国本組に襲われ傷つき幸次が単身仕返しに行った。ギンは血刀をさげた幸次をいたわりながら警察へ自首。12年後幸次は出獄。ギンはもうこの世にいなかった。吉田が出迎え、若松港の見える高原へ彼をともなう。幸次はギンの遺言通りそこに骨粉をまいた。1958年10月21日〜27日豊橋松竹、併映「人魚昇天」【サイズ:B2&キネ旬切り抜き】【年代:1958】