説明
ジゴク1979/脚本:田中陽造。音楽:真鍋理一郎。主題歌:山崎ハコ。監督:神代辰巳。東映が日活から神代辰巳監督を招いて製作したホラー作品。姦通の罪によって地獄に落ちた母(原田美枝子)を追って、近親相姦の罪を犯して地獄に落ちる一人の女(原田美枝子二役)を描く。131分。冒頭、地獄を描いた日本画が写し出される。天本英世のナレーションで、「人はいつか死なねばならぬ。死に至るまでに多くの罪を犯す。法の裁きは仮の罰となる。死後の世界そのものが、真の刑罰として存在するのではないかと、人々は何千年もの長きに渡って夢想してきた。それが地獄である。地獄は恐怖の夢である。人は今も、地獄を道連れにして生きているのだ」と語られる。山崎ハコの歌う主題歌『心だけ愛して』の効果もあって、期待感を煽るだけのモノはある。しかし舞台が地獄に移る一気に失速してしまう。閻魔大王が金子信雄、地獄の様子の怖さは薄い。そして天本英世の「これが地獄だ」という言葉が何とも空しくて、消化不良で映画は終る。原田美枝子二役力演が空回りした印象。東映始まって以来の大コケで同時期に東宝では石坂浩二金田一ミステリー「病院坂の首括りの家」が公開されておりこちらに軍配。そして20年後の1999年に石井輝男監督が「地獄」を製作する。1979年6月3日~7月12日豊橋東映、併映若松孝二「餌食」。【サイズ:B2 2種類】【年代:1979年】