説明
ジゴクハナ/原作:室尾犀星。脚本・監督:伊藤大輔。音楽:伊福部昭。大映スコープヴィスタヴィジョン第1作の時代劇。鶴田浩二・京マチ子共演。王朝末期。春まだ浅い湖北の高原地帯で、都へ急ぐ女輿を護った貴族の一行を、群盗・袴野の麿の党と、峡の馬介の率いる御坊派の一隊が同時に襲う。獲物の分配で両党は殺気立っが、馬介が、輿の中の姫だけを貰うことでその場は納まった。しかし、麿の養女で妻でもあるステは、姫と侍女の別離の悲嘆を見て胸を打たれ、他日姫と引換えに彼の得心が行くものを与える約束で、姫の身柄を貰い受けた。ステは姫を無事送り届け、都近くで別れる時、姫は形見として自分の虫の垂衣をステに与え、後日何かの時に誓って力になろうと約束した。山に帰ったステだったが、ある日、麿が留守中に馬介が訪れた。馬介は姫の代償にステの肉体を要求した。ステは激しく抵抗したが、遂に手篭めにされてしまった。折から夜討ちに失敗して足に重傷を負って帰って来た麿とその一党は、舌を噛み切られて死んでいる馬介と、噛み切ったステの凄じい姿をみて愕然とした。だが、ステは馬介の子を懐胎していた。1957年7月1日~16日丸物会館、併映~9日「ふるさとの灯台」。10日~16日市川雷蔵「弥太郎笠」。1959年1月9日~12日千歳劇場、併映「花は嘆かず」。【サイズ:B5時代映画広告】【年代:1957年】