説明
バクトカイサンシキ/脚本:神波史男、長田紀生。音楽:富田勲。監督:深作欣二。鶴田浩二主演。時代に遅れた博徒が流れに逆らいながら道を通す深作欣二監督の数少ない任侠ドラマ。全体的にクールな人間関係を強調するのと暴力団取締法を背景にした警察権力(岡田英次)と元ヤクザで仲間を裏切りライバル会社の社長(渡辺文雄)が鶴田の前に立ちふさがる。8年前岩崎組(河津清三郎)の三羽烏と言われた鶴田浩二・渡辺文雄・丹波哲郎が鶴田が刑務所から出所すると時代が変化。麻薬中毒の丹波が渡辺に飼われていて、鶴田を殺すことを渡辺に命じられ、鶴田と格闘の末自らの腹にドスを突き立てて死ぬ。その血塗られたドスを持参して渡辺に挑んでいく。遅れたことを自覚しながら慕う部下と共に何とか這い上がろうともがく、そのことが誤解を招き亀裂を生んでいく。そして部下が殺されて結局一人で仲間の為に立ち向かうので、現代社会で古風なヤクザを描く事で時代を反映する社会ドラマを深作欣二監督は描き出す。ヒロインは万里昌代、昔の情婦だが自立していて鶴田が昔と変わらないのを知って、あきらめて旅へ出る役どころで東映任侠映画に珍しい色気で美しい。1968年2月9日~21日豊橋東映、併映千葉真一「陸軍諜報33」。【サイズ:B5キネ旬広告】【年代:1968年】