説明
バクチウチ イノチフダ/脚本笠原和夫。殺陣上野隆三。監督山下耕作。爛熟期の任侠映画の中でも名作の1本。安田道代が旅役者から一家姐さんへの変化と心理描写が誠に良い、金澤ロケと赤い海で想いを遂げる男女の悲哀を任侠道を背景に描く大悲恋メロドラマ。安田の実生活での元恋人の若山富三郎ゲスト出演と東宝の天本英世が黒づくめの殺し屋として東映初出演で鶴田浩二の芝居と相まって山下耕作監督の情念の世界がラストに満開。悪ボスには内田朝雄。旅役者の福島生れの安田道代と相川清次郎こと鶴田浩二が惚れ合う雪の北陸直江津海岸での会話が物語の発端で1年後の再開を期して別れるが、鶴田は縄張りをめぐる争いで天津敏と喧嘩して5年の刑期で服役、3年後に安田道代は役者一座を解散して岩井組親分水島道太郎に望まれて後妻に入る。そして鶴田が出所すると一家の姐御として安田と再会する因果。岩井一家の代貸が若山富三郎、内田朝雄が天津敏と組んで水島を天本に依頼して殺してから、一家内の争いに展開する。遠藤辰雄・渡瀬恒彦・林彰太郎は岩井の子分で善人役。山下監督得意の花は水島葬儀の黄色の菊、ラストの赤い血汐とカラー満開。1971年2月13日〜24日豊橋東映、併映「関東テキ屋一家 喧嘩火祭り」。1971年6月23日〜29日松竹シネマ、併映「新座頭市破れ!唐人剣」【サイズ:B2】【年代:1971】