刺青一代

高橋英樹/松尾嘉代、和泉雅子、小高雄二、花ノ本寿、河津清三郎、山内明、高品格、小松方正、嵯峨善兵、

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説明

シセイイチダイ/脚本:直居欣哉、服部佳。音楽:池田正義。監督:鈴木清順。高橋英樹主演の日活任侠映画の1本で鈴木清純監督美学が強調された作品として名高い。白虎の鉄と仇名された渡世人高橋英樹が、弟花ノ本寿と共にヤクザ世界から脱出を図るアクションでコントラストの強烈な演出で描く鈴木清順の任侠映画。殴り込みのシーンで登場する、青と黄色の襖を連続して開けていくシーンは圧巻。白狐の刺青をした鉄は、ヤクザ世界から足を洗うため、美術学校へ行くため仏具屋で修業している健次とともに満州への脱出を図る。ところが、直前で健次が河津清三郎親分一家たちに殺され、鉄が復讐を決意する物語。ラスト10分の殴り込みにその特徴が表現される。弟ケンジが敵のヤクザに斬られ、画面が左から右へゆっくりと赤く染まり、同時にセットの背景の空も真っ赤に染まる。これを合図に映画は映像歌舞伎へと変貌してゆく。照明が落ち、鉄一人にスポットライトが当たる。おゆき(松尾嘉代)から傘を受け取る➢花道を駆けるように雨の中急ぐ➢刺客と見せかけて元ヤクザの徳さんから長ドスを受け取りまた花道を駆ける➢青い襖を抜け、白い部屋へ、そして黄色い襖へ ➢照明の切れた闇の中では撃ち放ったピストルが赤く光る ➢殺陣は横から縦へと構図を変え、ここで有名なアクリル板越しの真下からのショット。雨の中の一騎打ちは潔いまでに一瞬で決着がつく。燃える怒りを白刃にたくし、赤塚組に乗りこみ斬りまくる。皆の感謝の眼を背に鉄は、みどりに別れを告げる敵討ちが終わると、鉄は雨の中フラフラになりながら長ドスを固く握る右手の指を、硬直して左手で一本一本こじあけてから刀を捨てるという物凄いリアリティでもって一連の鮮烈な清順劇場の幕は閉じる。皆の感謝の眼を背に鉄は、みどりに別れを告げて「終」。弟が花ノ本寿、悪ボスに河津清三郎、理解ある社長に山内明、弟が惚れる妻に伊藤弘子、ヒロインは和泉雅子と松尾嘉代。「白虎の鉄」は東映でも同タイトルで村田英雄主演で1068年「男の勝負白虎の鉄」として製作された。1965年11月27日~12月7日千歳日活劇場、併映「野郎に国境はない」。1966年3月9日~15日松竹シネマ、併映「柔旋風 怒涛の対決」。【サイズ:B2ポスター】【年代:1965年】