説明
キョウダイジンギ ギャクエンノサカズキ/脚本:笠原和夫・梅林喜久生、監督:鈴木則文。殺陣:上野隆三、助監督:志村正浩、音楽:菊池俊輔。主題歌:クラウンレコード「兄弟仁義」。シリーズ7作にして抑え役が鶴田浩二から若山富三郎へ交替。物語は「瞼の母」テーマで北島三郎の母親三益愛子が悪ボス金子信雄の後妻となっていて、若山は剣道5段の使い手として金子の兄弟分だが出所後に義理で漁師の味方をする善玉親分の大木実を殺す。金子が母親への仕送りを横取りして母親は死亡していたことで対立、最後は北島を助けて金子一家を相手に大殺陣の末に死ぬが兄弟分は若山・北島と大木一家の代貸の菅原文太でラストは北島と文太の殴り込み、三益が北島の身代わりとなって金子のピストルの餌食になり涙の別れで「おっかさん」。金子信雄の代貸しが天津敏、公害企業の現地幹部が小田部道麿に中村錦司、遠藤辰雄が善玉の科学者で汚水を流す企業の実態を調査する。若山はこの年「極道」で大ブレイク、任侠東映の鶴田・高倉の次のエースとして大車輪の活躍をみせる。改めてこの映画は、ラスト近くでの金子の悪行に怒った若山が兄弟分金子への逆縁の盃での殺陣が見せ場。天津のピストルに撃たれながら25人以上斬って壮絶な死。斬られ役に志賀勝・西田良・天津敏。菅原文太はまだ脇役だがこの映画ではちゃんとした役処で印象的。北島の演技は大分落ち着いて見られるようになってきた。1968年8月27日〜9月5日豊橋東映、併映「㊙トルコ風呂」。【サイズ:B2】【年代:1968】