説明
キョウダイジンギ/脚本村尾昭・鈴木則文、監督山下耕作。主題歌クラウンレコード「兄弟仁義」。北島三郎のヒット曲から生まれた主演シリーズの第1作。様子見もあって白黒作品なのは「網走番外地」と同様、ヒットすると予算が増えてカラー作品のシリーズ化。「関東流れ者」で劇中北島が唄った「兄弟仁義」が派生して映画化されて1963年から映画出演があった北島三郎の初主演作。大正時代の上州の温泉地を舞台にして湯元をめぐる縄張り争いと生き別れた母を探すいかさま師の北島が絡む任侠篇、善玉親分村田英雄の処へ草鞋を脱いだ北島が悪ボス安部徹との争いに巻込まれる。村田の代貸松方弘樹と北島三郎が兄弟分として客分鶴田の見届けで盃を交わす。悪ボスの計略で村田が刺客待田京介に殺されて一家は解散、更に料亭となった一家の改装費用の肩代わりを安部徹にされて窮地になったときに村田の娘宮園純子を助けて北島が証文を取り返す。その帰路に北島が神社で待ち伏せされて殺されて鶴田が看取る。堅気となった松方弘樹が殴り込もうとする時に鶴田が「この始末はあっしに付けさせておくんなせえ」と雨の中、北島の唄う兄弟仁義を背景に殴り込んで安部徹一家を叩く格好良さ。悪玉安部徹の子分に曽根晴美・佐藤京一・阿波地大輔・加藤浩など、善玉サイドには国一太郎、湯元組合理事長に香川良介、北島のイカサマ仲間に人見きよしなど賑やかな配役。山下耕作監督の演出は叙情性とバイオレンスを上手く取り込んで、観客のハートを掴むのが上手い。1966年4月23日〜5月2日豊橋東映、併映「網走番外地荒野の対決」【サイズ:B2】【年代:1965】