説明
ニンキョウガイデン ゲンカイナダ/脚本:石堂淑朗・唐十郎。音楽:安保由夫。監督:唐十郎。主題歌:作詞唐十郎「夢は俺の回り灯籠」。挿入歌:キャニオンレコード安藤昇「黒犬」。玄界灘の一匹狼のヤクザ安藤昇を主人公に、ヤクザ同志の抗争や屈折した性の葛藤を描く唐十郎の処女演出。近藤(安藤昇)と弟分の田口(根津甚八)は、韓国から密航してきた女たちを東京に売る仕事を、沢木組から任されていた。沢木(宍戸錠)と近藤は二十五年前の韓国で、沢木が絞め殺した女を近藤が犯すという、暗い過去を共有していた。近藤は女の死に顔の美しさが忘れられず、帰国しても女を抱けなくなっていた。田口はヤクザに襲われそうになっている密航者の李孝順(李礼仙)という女を助けた。二人の仲は急速に接近するが、彼女が留守中の田口のアパートを訪ねたとき、近藤とばったり遭遇してしまう。近藤は自分が犯した女と李がそっくりなことに驚くが、彼女こそ25年前に死にきれなかった女が生んだ近藤の子供だった。二度目の蜜航の仕事が海上保安庁に発見され失敗。重傷の近藤の前に、金田(小松方正)が立ち塞がり、彼に全てを話した。青ざめる近簾。一方、田口は今度の失敗で沢木の信用をすっかり落とした近藤を救おうと沢木の重要書類を奪うが、逆に沢木と近藤のヒビを広げる結果となった。やがて浜辺で沢木と近藤が決闘し共倒れ。これを崖の上から見ていた金田は、二人の死を見届け、自ら崖の上から飛び降りる。任侠外伝の通りの暗い映画。豊橋未公開【サイズ:B2ポスター】【年代:1976】