説明
ニンギョウサシチトリモノチョウ センケツノチブサ/原作:横溝正史「やまぶき薬師」。脚本:金田光夫、小宮一彦。音楽:橋本力。監督:小野田嘉幹。若山富三郎が東映に移籍して出番が回った中村竜三郎の人形佐七捕物帖シリーズ第一作で財宝を巡る連続殺人事件を探る。舟鏝頭お冬が乳房を匕首で刺され死んだ。佐七は、子分の辰と豆を従え聞込み。泉州堺の生れであることくらいしか分らなかったが、死体の守り袋の紐が切られてあり、お冬の手がその紐をしっかりと握っていたことが気にする。祭りの日、佐七は女スリを追っていく途中、不気味な男の死体にぶつかった。この男は与兵衛、17年前、泉州堺で回船問屋をしていた渡海屋の一番番頭。渡海屋が抜け荷をやっていたことが発覚して島流し、その与兵衛がなぜ今頃島破りし、殺されたのか。与兵衛とお冬はともに泉州堺の生れ。与兵衛が持っていた木札は、白狐教のお札だった。その頃、両国では松栄斎秋翠の奇術が人気を呼んでいた。佐七の目は、口上を述べている源蔵(沢井三郎)に止まる。与兵衛が殺された時現場附近で見かけたからだ。秋翠ことお秋(三原葉子)は、髪結いの清吉(伊達正三郎)を慕っていた。清吉には、お春(北沢典子)という許婚がいた。又源蔵がお秋に執心。白狐党の信者だった裕之進の妻お夏(松浦浪路)が殺された。渡海屋の宝の秘密をにぎる絵図が、四人姉妹の守り袋にかくされていることが分った。それを知らせようと与兵衛が島を脱出したところを殺されたわけだ。佐七は裕之進の後をつけ、斬りつけられるが、町道場主織部新八郎(細川俊夫)に助けられた。裕之進は昔の弟子で、これまでの事件も彼の仕業だろうと言った。お秋が舞台で殺された。守り袋を開いた佐七は、絵図面と一緒に「渡海屋銀兵衛二女お秋」と書いた紙片を見つけた。奉行所では、お秋の死体のそばに、清吉の櫛が落ちていたことから、清吉を捕えた。その日の清吉の足取りをたどると、謎の女が清吉を連れて歩き廻ったことが分った。その女は、お柳という長唄の師匠で新八郎の妾、源蔵は渡海屋の競争相手の回船問屋で、変名して宝を狙っていた。佐七は、白狐教を襲い、生神様に化けていた新八郎を捕える。1960年2月20日〜23日豊橋国際、併映「鬼姫競艶録」東映娯楽版「七色仮面百万ドルの対決」。【サイズ:B2】【年代:1959】